2013.09.12 Thu
ドラマ「woman」で、主役の満島ひかりは難病を持った、職場を二箇所掛け持ちして働くシングルマザーの役柄のためか、かなり痩せている。この飽食の時代だからこそ、痩せた彼女の体型には目が行く。かたや2人の子どもは、母親に比べたら健康な体つきをしている。もし母親の満島が肥えていて、子ども2人が痩せてやつれていたら、また母親も肥えていて、子どもも肥えていたら、ドラマは高視聴率を取れなかったかも知れない。
「人は見た目が9割」という本がベストセラーになった。人はたいてい外見で判断されるという内容である。だからではないが、きっと女性で痩せてやつれた外見は、「憐れみ」を誘うのだろう。ドラマでは、主人公への暖かい周囲からのほろりとくる手助けの場面が幾度も出てくる。
私はあのドラマを見終わってすぐに、「自分のいかつい体型」を考えてしまうくせがついた。自分は肩幅があり、骨太で、体力もある。かんたんな力仕事などは、なんとか自分で出来る。たぶん男性から見れば「憐れみ」とは逆の「可笑しみ」を誘う外見だと思う。。。女性はか弱く、いつの時代も細腕繁盛記のような痩せた体型がいいんだろうな。
さてドラマ「woman」では、体型だけではないシングルマザーの過酷な生活もリアルに描かれている。主人公が生活保護の申請に役所へ向かうが、窓口で門前払いされてしまうところや、母親の帰りを待つ子どもたちが児童相談所の職員に施設に連れて行かれそうになるところなど、本来住民を守る立場の行政からのこうした仕打ちも丁寧に(?)表現されている。いくども主人公を襲う絶望感と孤独。ドラマを見てていつも胃がきりきり痛くなるほど。
しかし、このような運命のもとでも、必死に子ども2人を育てようとする主人公は、結婚前は大人しく精神的に弱い女性であったにもかかわらず、子どもを持ち寡婦となったらめっぽう強くなっていた。母は強し。
か弱い体型だけではない母性。このドラマがヒットする所以かもしれない。
カテゴリー:投稿エッセイ
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
研究助成・公募
アート情報
女性運動・グループ
フェミニストカウンセリング
弁護士
女性センター
セレクトニュース
マスコミが騒がないニュース
女の本屋
ブックトーク
シネマラウンジ
ミニコミ図書館
エッセイ
WAN基金
お助け情報
WANマーケット
女と政治をつなぐ
Worldwide WAN
わいわいWAN
女性学講座
上野研究室
原発ゼロの道
動画






