2012.10.17 Wed
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ウーマン・リブ(70年代)からフェミニズムに光芒をはなつ、田中美津さんと上野千鶴子さんのニアミス。詩人と評論家に衝突は、しようがないから、対話は限りなくニアミスで続く。
「異文化の外国で、ぼう然と興奮してるうちにアッというふうに時間が過ぎる」と上野さんが語るのに対し、美津さんは「しかもこちらが個で存在してると、点で存在してるとね、向こうは面で迫ってくる。圧倒するんだよね」と吟じる。
上野さんが歩けば、「フェミニストが歩いてる」と言われ、美津さんイコール「ウーマン・リブ」と言われた。が、しかし、フェミニストやリブは、誰かの代弁をしてやってるわけじゃなく、「みんな一緒」の日本型集団規範から逃れて先行くために、個人が、自分のためにやっているものなのだ。
詩人である美津さんは、「人は何によって変わるのか」という疑問に向き合ってきた。そして、「存在が語るメッセージ。その人のコトバとコトバの間からもれてしまうものを感じとったときに、共感したり、感動したりする」と答えを出した。
「でも、行間つくるには、まず行を埋めなきゃいけないのよ」と、評論家の上野さんがすかさず突っ込みを入れる。怯むことなく美津さんが上野さんに応える。「上野さんがいいなと思ったのは、集会で女に伝わるメッセージをもってること。女に、っていうのは、コトバだけを信用しない人に伝わるって意味でね。上野さんのコトバとからだがひとつになってて、リズムに乗ってたり、パワーにあふれてたりしてるところが、インテリとか学者にはめずらしい。ある種の大衆を持ちえたのは、そこだよ」と。
直感を大切にする美津さんだからこそ、上野さんを感じとる。コトバとコトバの間からもれてしまうものとは。
わたしたちが最期まで大切にしたいものは、なんだろう。みんなと一緒がいいですか?
しなやかで強かな、生きる力を追いかけて・・・ 光芒を掴んでみたい。
堀 紀美子
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