ディズニー・プリンセスのゆくえ: 白雪姫からマレフィセントまで

著者:本橋 哲也

ナカニシヤ出版( 2016-04-30 )

ディズニー・プロダクションが20世紀に製作した古典的なアニメーション・プリンセス映画である『白雪姫』『シンデレラ』『眠りの森の美女』といった作品は、童話を題材としたプリンセスの「ハッピーエンド物語」として世界中の人たちのDNAに刻み込まれてきました。

しかしそこには当然、時代の制約や偏見が色濃く反映されており、それをジェンダーや人種や経済的格差といった視点から見直してみると、さまざまな問題が浮かび上がってきます。しかし注目すべきは、ディズニープロダクション自身が、そのような見直しを21世紀になって実行してきたことで、『魔法にかけられて』『アナと雪の女王』『マレフィセント』『イントゥー・ザ・ウッズ』『シンデレラ』といった作品群は、これまで家父長主義や異性愛体制に閉じられていたプリンセス表象を一気に解放した点で、まさに「プリンセス神話の革命」の名に値する快挙であると言うことができると思います。

本書では、これらの代表的なプリンセス映画をいわば「因数分解」するようにして詳細に分析することで、それが私たち自身の人生の革命へといかにつながるかを考えようとしてみました。