姫岡とし子 最終講義 2016年3月19日(土)
タイトル:「私と女性史・ジェンダー史」

場所:東京大学文学部 法文2号館2番大教室
主催:東京大学大学院人文社会系研究科西洋史学研究室・姫岡ゼミ修了者・受講生有志

姫岡とし子さん

これは、2016年3月19日に東京大学で行った最終講義の記録です。東京大学大学院人文社会系研究科では、退職教員の最終講義をアーカイブとして残すために、撮影が行われています。おかげで、WANアーカイブでも公開することができます。
撮影を担当し、WANでの公開を許可して下さった東京大学大学院人文社会系研究科にお礼申し上げます。

私は理学部を卒業し、その後渡独して、あらたに歴史学を学びました。ドイツではフェミニズム運動を体験し、はじまったばかりの女性学の授業に刺激を受け、女性史で修士論文を書きました。帰国後、大学院の博士課程に入学しましたが、西洋女性史の先輩研究者は、ほとんどいなくて、はからずも先駆者的な役割をはたすことになり、日本での女性史・ジェンダー史研究の興隆・浸透とともに歩んできました。本講義では、私の個人史、1970年代以降のジェンダーや学問をめぐる時代動向、歴史学方法論の変化と絡ませながら、私の研究史を振り返っています。大学は退職しましたが、研究者はもう少し続ける予定なので、現在やっている研究についても触れています。


プロフィール
1950年生まれ。奈良女子大学理学部化学科卒業。旧西ドイツ・フランクフルト大学歴史学部修士課程修了。奈良女子大学大学院人間文化研究科博士課程比較文化学専攻修了。文学博士。
立命館大学(1988~2005年)、筑波大学(2005~09年)を経て、2009年4月より東京大学大学院人文社会系研究科教授。2016年3月31日退職。