夫婦関係、親子関係、人と関係のあるところ、
つまり人間関係には悩みがつきもの。
人生のスパイスのごとく、其処ら中振りまかれている。
スパイスは、適度な刺激をもたらす要素。


人生の展開にちょうどよい酸っぱさや辛さを振りかけてくれている。
人生の酸いも甘いも噛み分けた社会学者、上野さんが大鉈を振るう。
これがまた、よく切れるから、お悩み相談、上野さんを指名するファンが着々と増えているそう。

みなさま、覚悟はいいですか?と言わんばかりの名回答。


『なのに、回答とはおそろしいものです。
「ワタシ」について何も語らなくても、回答は回答者の生き方、人生観、価値や好みについてまで赤裸々に語ってしまいます。

是非善悪の判断、やってよいこととやらないほうがよいこと、おすすめできることとおすすめできないこと…のなかに、「ワタシ」の器がイヤも応もなくあらわれてしまいます。

そう思えば、月に一回、全国670万読者に「ワタシ」を曝すこの連載は、おそるべきものかもしれません。』
(あとがきp.278)


上野さんの著書を読んだことのない方が、この身の下相談にふれて、素の上野さんを感じ、あらたな読者になられた方も多いのでは?
回答の端々に社会学者としてのデータと経験知が溢れ出る。
ふらふらと、よろめきそうになるチカラで背中をグンと押される。
「うん、うん」と心がうなずく。

また、身の下相談をするあなたが、ちょっと前のあなたより心豊かになって人生を歩んでいる。
回答は、「上野さん」、ご指名で。
■ 堀 紀美子 ■

また 身の下相談にお答えします (朝日文庫)

著者:上野千鶴子

朝日新聞出版( 2017-09-07 )