モテる大人になるための50の秘密指令

著者:ピエルドメニコ バッカラリオ

太郎次郎社エディタス( 2018-02-28 )


 皆さまこんにちは。翻訳をしたり、物書きをしたり、舞台俳優をしたりしている、有北雅彦と申します。このたび、訳者としてかかわった『モテる大人になるための50の秘密指令』が出版されたことをお知らせいたします。また、この正月、甥が年下のかわいい彼女ができたとはしゃいでいたので、お年玉をあげることをちょっと躊躇したこともお知らせいたします。
 さて、本書『モテる大人になるための50の秘密指令』は、カッコいいスパイになるためのガイドブックという、ちょっとおもしろい体裁をとっています。「あの子をデートにさそえ」「おしゃれの道を極めよ」などの、“モテる”ためにいかにも大事そうなミッションから、「火を使わずに料理せよ」「家中をピカピカにみがきあげよ」という、生活力を身につけるミッション、はては「5つの国の料理を味わえ」のようなワクワクするミッションまで、伝説のスパイから50の秘密指令が下されます。
 大人の秘密を探るため、大人のふりをし、大人の世界に紛れこむのだ——という名目で子どもたちに課せられるのは、「どんなに困難な挑戦も、自分ひとりで、あるいはだれかと協力しながら、スマートにこなす」ようになるためのミッションです。それでこそ頼りがいのある魅力的な大人になれるし、ひいてはモテるようになるということですね。
 僕は役者として舞台に立つのと並行して、脚本や演出も手がけています。そのなかで、「婚活がうまくいかないマザコン男」「モテなさすぎて体が妖怪に変化し、地方都市を破壊する男」「手を出したら最後、すべてを奪いとる魔性の女」など、モテるということについていろいろな角度から追究し、描いてきました。“モテ”は物語のタネには格好の、じつに奥深いテーマです。著者はイタリアのベストセラー児童文学作家だけあって、本書には、モテること=自立すること=人生を楽しむこと、という、とてもイタリア的な人間賛歌がこめられています。  息子が休日ごとにデートに出かけるようになったら、お母さんはちょっと寂しくなるでしょうし、娘のスマホにひっきりなしにメッセージが届くようになったら、お父さんは気が気じゃなくなるかもしれません。でもそれは、あの子たちがそれだけ魅力的になった証拠。あたたかく見守ってあげるとしましょう。
 ミッションに挑戦するには小学生から高校生くらいがベストかとは思いますが、大人になりきれていない大人の皆さんも、ぜひ、“モテの秘訣”をゲットしていただければ。そして願わくば、豊かな人生を送られますように!
 あっ、もちろん、甥にはお年玉をあげましたよ。おまえも大人になったな、という心からのエールをこめて。