兵庫県西宮市は、「オリジナル婚姻届」を民間広告会社に無料で作成してもらい、合わせて「婚姻手続き早わかりBOOK」なるA4版、12頁で広告が5頁入った冊子を作成し、婚姻届の用紙を取りに来た市民に、6月から交付しています。 「婚姻手続き早わかりBOOK」なる冊子の表紙を開けてすぐに目に入る広告が「助産院マタニティクリニック」で、赤ちゃんの手が大きな大人の指を握っている写真と「元気な赤ちゃんをお産みになるための支援」などのコピーがあります。 私は、この冊子を最初に見たときから、唖然となりました。 婚姻イコール出産ではないことは、自明のこと。この冊子を見た、何人かの知人は、言葉を失い、子どもを出産するか否かを婚姻後も長く悩んだ経験のある友人はこの冊子に「血が凍る思いがした」とも言っています。 その他の広告も男女共同参画の視点でいえば「婚姻届」とセットで出すものとしては、アウトだと思える写真館の広告もあり、全体としてもあり得ない作りになっています。 (添付写真のとおりです) 6月市議会の一般質問で西宮市の市民局長は「西宮市広告掲載要綱や西宮市広告掲載基準を遵守しており、また『西宮市人権教育・啓発に関する基本計画』や『男女共同参画社会をめざす表現のチェックポイント』などに照らしても、問題はないと認識している」と、広告の載せる事自体の問題にすり替え、強弁しています。 その結果、いまだに、オリジナル婚姻届とともにこの「早わかりBOOK」なるものが交付され続けています。 この印刷物の作成と印刷を引き受けている業者は、全国ですでに100市以上で全く同じ手法の同じ形式の「早わかりBOOK」なるものを手掛けています。 各地元の役所でも、このような冊子が交付されていないか、ぜひ、チェックしていただきたいと思います。 また、西宮市には、男女共同参画施策に関しての苦情処理窓口がなく、この冊子を配り続けることを止めさせる手だてがいまのところみつかりません。