
長男は牛乳、ナッツ、食用色素、小麦、グルテン、その他多くの食品アレルギーを持ち、次男はグリホサート農薬に腸を毒され、そして三男はピーナッツを食べたこともないのにピーナッツアレルギー。
どうして私の子どもたちが? いったい食べものに何が起きているの? と子どもの健康を取り戻すために立ち上がった南カリフォルニア在住の主婦、ゼン・ハニーカット。
本書は彼女の愛と闘いの記録である。
彼女は国民の健康を守っているはずのアメリカの行政機関であるEPA(環境保護庁)と大手食品メーカーの癒着を暴き、食べものやワクチンに含まれる遺伝子組み換え作物や農薬の害を明らかにする。こうした事実は、アメリカ国民には知らされていないことばかりだった。彼女はマムズ・アクロス・アメリカ(Moms Across America)を創設し、母親たちにこの事実を伝え、行動を促した。彼女の活動は、やがてアメリカから世界へと広がってゆくこととなる。なぜごく普通の一人の主婦にこれほどの運動を起こすことができたのか。それはUNSTOPPABLEな(あきらめない)強い信念があったからである。
彼女の情熱的な生き方に共鳴したのは、西日本を中心に展開する生協組合、グリーンコープ。ゼンに共感した母親たちが中心となり編集委員会を立ち上げ、本文の校正はもちろん、タイトル、サブタイトルも考えた。
原題は『UNSTOPPABLE』。一般的には「止められない」「抑制できない」と訳すこの言葉を、彼女たちは「あきらめない」と訳した。
帯に推薦文を寄せてくれたジャーナリストの天笠啓祐氏は、「遺伝子組み換え作物を世界で一番食べているのは日本人」という。アメリカで起きていることは、対岸の火事ではないのである。
ゼンがあきらめない母の愛でアメリカの食卓を変えたように、私たちも彼女に続こう。
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