2010.05.24 Mon
mootyさんへ
『新編日本のフェミニズム』の1巻『リブとフェミニズム』を読んで、「フェミニズムとの出会い、リブとの出会い」というテーマで私なりの感想をお送りします。
第二波フェミニズムの歴史的経緯とは順番が逆になりますが、私はまず最初にフェミニズムと出会いました。フェミニズムとの出会いは、学部のときに教養科目の「ジェンダー論」を履修したのがきっかけでした。身体や家族など、当時抱えていた様々な問題に一本の筋が通ったという衝撃は今でも覚えています。一方でリブとの出会いは、残念なことではありますが旧編の『日本のフェミニズム』や『資料 日本ウーマン・リブ史』 などの書籍を通しての出会いでした。
今回『リブとフェミニズム』には「リブ・フェミニズムを記録/記憶する」「リブと老い」というパートが追加されています。このような増補はリブを単に歴史化してしまわず、今を共に生きる女としてリブを提示するという試みと言えます。
女の経験を女自身が語ることを模索しながら、女の解放を目指した先輩方をより身近に感じるとともに、今を生きる私たちの世代は何ができるだろうかと改めて考えさせられました。(bochan)
bochanさんへ
bochanさんのフェミとリブとの出会いを教えてくれてありがとう。
わたしの場合、「家庭の独裁者」と言っても過言ではない父とそれに泣きながら堪える母のもとで、たくさんの疑問にぶつかりながら育ち、ようやく大学・大学院時代にフェミと出会いました。これはわたしの「解放」の言葉だと思って、むさぼるように先輩たちが残した文章を読みました。
そう、新編の『リブとフェミニズム』には、「次世代の女性への贈り物」という側面が強く出ていますね。今回改めて、『資料 日本ウーマン・リブ史』の編者・三木草子さんの「はじめに」の言葉(中西豊子さんによる引用)を読んで、わたしは涙がでました。リブの女たちの叫びがあって、いまの私たちが居るのだと痛感したからです。そしてリブが記録されたのは、「リブが……いま自分の解放を目指して生きようとする女たちに……大いなる力づけになるにちがいない」という確信があったからと記されていました。
わたしは、ちょうど「国際婦人年」に生まれました。いつの時代も女たちが築いてきた、ゆるやかでしなやかで、それでいて力強いネットワーク。私たちの世代がすべきことは、あいもかわらずこうしたネットワークを継続させること、なのではないかしら(mooty)
mootyさんへ
mootyさんがおっしゃるように、繋がっていくこと、繋がりを維持し、そして広げていくことは大切だと私も思います。その一方で、今日、女性を取り巻く環境や状況は個々人で大きく異なり、「女性である」という点で繋がっていくことの困難さも実感しています。
依然として男性を基準にして作られている雇用環境の中で苦闘している女性たち(私の友人も悩んでいる人が多いです)。周囲からの結婚への圧力に晒されて、婚活をする女性たち。
また、今回の『新編 日本のフェミニズム』では新たにバックラッシュに関する論稿が収められていますが、バックラッシュ派の中にだって、専業主婦としてのアイデンティティにしがみ付かざるを得ないような環境にいる女性たちがいます。
女性同士の繋がりよりも、対立や経済格差の方がクローズアップされるような状況の中で、私たちはどのように繋がっていけるのか。
私は、「女」であることを問いつめることによって、女性たちが互いに引き裂かれているまさにその状況こそを問題化したリブの考え方に、まだまだ学ぶことがたくさんあると思います。
「わかってもらおうと思うは乞食の心」――人と分かり合うのは難しいことだけれど、そんなときこの言葉を心の中でつぶやくと、少し前向きな気持ちになれたりします(bochan)。
bochanさんへ
たしかにリブの言葉は、いまでも心に響きます。たぶんそれは、「借り物」ではなく、自分たちの内側から絞り出るように聞こえてきた「叫び」に傾聴して、ようやく編み出した言葉だからなのでしょう。たとえば、リブは「母性」をとことん問いつめ、そして引き受け、そのうえで女と障害者との出会いを模索しました。彼女たちからは、障害者の「産まれる権利」なのか、女の「産まない権利」なのか、といった単純な二者択一の問題としてしまう陥穽を見抜く力を学ぶことができます。
しかし、bochanさんのご指摘にあるように、女たちは互いに引き裂かれています。そのうえ、バックラッシュが功を奏して(?)、若い女性たちはフェミニズムから離れてきています。その一方で、若い世代を見わたすと価値は多様化してきているようにも感じます。だからこそ、私たちは自分たちが「強者」であることに自覚的でなければならないのですよね。在日女性の解放運動をすすめた金伊佐子さんの言葉、「踏みつけられることを拒否し、踏みつけることを拒否したい」は、胸に迫るものがあります。
私たちがリブから多くのことを学ぶことができたように、私たちはリブの思想や実践を後世につないでいかなければなりません。前世代から受け取った「贈り物」を大切にしたいなと思います(mooty)。
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