
書名 サダと二人の女
著者 山下智恵子
版元 風媒社
刊行日 2018年8月10日
『サダと二人の女』を読んでください
阿部定は、本当に毒婦だったのか?刑を終えたのち、彼女はどう戦後を生きたのか?
そして、定とは反対に、男を憎んで性器を切った女が、私と同年で、名古屋にいたということを知り、彼女の人生をフィクションで、そして今を生きる主婦を、二人の女として、描いてみた。
同人誌に連載7年。最初のころの原稿を、鶴見俊輔さんが読んで、肯定的な葉書をくださった。周りの女から「どうしてあんな猟奇的な人を書くの?」と言われていたのでうれしかった。
「阿部定、らく町のおときも、私の心に刻まれています。この人たちの像とともにながく生きてきたのです」という鶴見さんの葉書は、励ましになった。
性を語ることが、いまだにタブー視されている現在。読んでくださる人がいたら、嬉しい。
◆山下智恵子(やました・ちえこ)
1939年、名古屋市生まれ。1961年、名古屋大学文学部卒業。1976年、『婦人公論』女流新人賞受賞。
著書に、『砂色の小さい蛇』(BOC出版部)、『女の地平線』(風媒社)、『幻の塔―ハウスキーパー熊沢光子の場合』(BOC出版部)、『野いばら咲け―井上光晴文学伝習所と私』(風媒社)
*Amazonの本書のページより転載しました。
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