2020年5月23日、日本経済新聞 夕刊6ページに、書評が掲載されました
専門家だけでなく、今、そして将来的に、介護を受けて生き延びる、私たちみんなの問題です。

署 名 介護保険が危ない!
編 者 上野千鶴子・樋口恵子
発行所 岩波書店(岩波ブックレット No.1024)
刊行日 2020年4月8日
定 価 682円(税込)

 本書は、1月14日に衆議院議員会館で行われた「介護保険の後退を絶対に許さない! 1・14院内集会」の記録に基づいて編集されたものです。この集会は、高齢社会をよくする女性の会とウィメンズアクションネットワークの共催で開かれました。
 集会のきっかけは、昨年明らかになった介護保険法改定案でした。改定案には、要介護1と2の介護予防・日常生活支援総合事業への移行のほか、ケアプランの有料化なども盛り込まれていました。
 これに対し、いちはやく反対の署名活動が起こりました。本書には、その中心となった中澤まゆみさんも登場します。市民の強い反対を受けて、要介護1と2の総合事業への移行などは先送りになりましたが、その他の改悪項目は法案に残ったままです。
 昨年この改定案を知ったとき、私自身大きな危機感を抱き、署名もしました。その後、院内集会が計画されていることを知ってぜひその内容を一冊にまとめたいと思い立ち、樋口恵子さん、上野千鶴子さんをはじめ、院内集会の実行委員の方々にご快諾いただいて、本書が実現しました。
 このブックレットには、全国から集ったケアの専門家たちの熱い思いがあふれています。介護保険は、年齢を問わず、人々の生活に欠かせないものになっています。介護保険の20年は、切り下げの連続でした。本書を通じて一人でも多くの方に介護保険の厳しい現状を知っていただき、これ以上の後退を許さない世論づくりに役立てていただければ幸いです。