2020年1月には、すでに世界で認知されていた新型コロナウイルス。しかし、東京オリンピックの開催にこだわり、中国・習近平国家主席の訪日を実現するため、日本政府による防疫の初動は遅れに遅れた。そして、突然の休校要請。繰り返される安倍晋三首相の「持ちこたえている」という空虚な声。緊急事態宣言の発令。給付金をめぐる政策の不備……。
100年に一度と言われる感染症の蔓延に、社会はどのように対応したのか、また対応しなかったのか。深刻な事態を風化させないために記録しよう、という共通の思いで、森達也のかけ声のもと、最強の論者たちが集まった。
それぞれの筆者が、それぞれの専門と新型コロナウイルスをめぐる2020年1月から半年にわたる事象について記述する。このシリーズは、第2弾が「2020年後半」、第3弾が「2021年前半」として刊行。つまり、1年半にわたって、新型コロナウイルスと私たちの社会を定点観測することになる。
街中の書店では、「コロナ後」や「ポストコロナ」といった書名の本が数多く並ぶ。だが、本企画では新型コロナウイルスをめぐる状況が現在進行形であることを重視する。現状では終息の見通しが立っていない事象に、「後」や「ポスト」を付けることへの違和感を含め、あえて「定点観測」という手法で執筆陣に状況を分析していただいた。
◆書誌データ
書名 :『定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2020年前半』
著者名:森達也
編著 :斎藤環/雨宮処凛/上野千鶴子/今野晴貴/斎藤美奈子/CDB/武田砂鉄/仲正昌樹/前川喜平/町山智浩/松尾匡/丸川哲史/宮台真司/望月衣塑子/安田浩一/安田菜津紀
出版社:論創社
刊行日:20/09/18
定価 :1980円(税込)
2020.09.11 Fri
カテゴリー:著者・編集者からの紹介
タグ:本