【女の本屋から】2020年冬から始まったコロナ禍は、私たちの暮らし方を大きく変えました。人に会わず、仕事も会議もリモートワーク。そんな家にこもる日々に、みなさんはどんな本を読んできたのでしょうか。
新しい本は新しい世界に私たちを連れて行きます。
「女の本屋」では、<ステイホームで読んだ本>というシリーズを始めました。
隣りは何を読む人ぞ――みなさまのご投稿をお待ちしています。
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物理学を専攻したイタリア人小説家の新型コロナに関するエッセイ集。
感染に関するデータが、身近な例に例えてやさしく解説されていて、とても読みやすい。
特にあとがき「コロナウィルスがすぎたあとも、僕がわすれたくないこと」は、とても考えさせられる、珠玉の一遍。
手元のおいて、しばらく経ったあとにもう一度読み返したい。
コロナは人々の価値観を変え、大切なものの輪郭をくっきりと浮き上がらせてくれた。
すべてを「元に戻す」のではなく、目線を少し遠くに置いて、常に考えながら生きることを後押ししてくれる一冊。 (as・翻訳業)
◆書誌データ
署名 :コロナ時代の僕ら
著者名:パオロ・ジョルダーノ
翻訳者名:飯田亮介
出版社:早川書房
刊行日:2020/4/24
定価 :1430円(税込)