2011.01.04 Tue
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4Fミステリーはここまで進化した!女性を主人公とする/女性作家による/訳者も女性で/女性読者に向けた海外ミステリー作品群が、4つのfemaleという意味で4Fミステリーと呼ばれるようになってすでに長いが、本書の女性主人公ステラは、ミズーリ州の小さな田舎町で手芸店を営む平凡な「おばさん」。4Fミステリーに典型的な、ニューヨークやシカゴの大都市で活躍するかっこいい弁護士や検視官や探偵とは大違い。
しかし、ステラの裏稼業は、どうしようもないDV男に虐げられている女性たちの依頼に応じて、そいつらを痛い目に遭わせ二度と暴力など振るえないよう懲らしめること。もちろん非合法なのだが、法のもとでは問題解決できず結局被害女性がさらに深刻な暴力にさらされてしまう現状から、警察や周囲の人々は「見て見ぬふり」、ステラは、刑務所に入ることも恐れずに、正義の味方として女性たちを助ける。その期に及んで男どもがいくら謝っても、もう遅い!その活躍ぶりは、爽快です。
フィクションとはいえ、そんな解決は「リンチ」にすぎない、と眉をひそめる人もいるかも。でも、女性たちが暴力に対し、無力な被害者としてだけでなく、対抗できる力を少しでももっていれば、DVの現実も多少は変わるかも、と思わせてくれる。女性たちよ、もっとたくましくなりましょう!
ステラは、自身が夫のDVに長く苦しめられ、ぎりぎりまで追い詰められたとき反撃し夫を死なせた過去をもつらしい。事故として処理されたこの経緯が、これからのシリーズで解き明かされていくようで、それも楽しみ。(eureka)