2011.03.04 Fri
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更年期の女性とジュリー(沢田研二)をめぐる物語。
図書館司書の敦子は、50歳、独身。職場では地味でお堅いイメージで通っているが、ボーイフレンドに困ったことはない。そんな彼女が閉経を迎えるや男性に魅力を感じなくなる。10代の頃からジュリー・ファンの敦子は、ジュリーのCDをきっかけにある男性と知り合い、少女のような恋をする。実父母の介護に追われるまどかは更年期の真っ最中。従順に義父母の世話をしていた兄嫁(夫の兄のつれあい)が、韓流スターに入れあげる姿に、かつてジュリーに夢中になっていた自分の姿を思い出し、しだいに彼女に共感を覚えていく。離婚したばかりのライター、43歳の千里は、体調を崩した際に医者や友人に更年期を指摘され、むっとする。取材と称して連れて行かれた更年期を考える会に出入りしていくうちに、千里はみずからの身体の変化を受け入れ、そこで出会ったジュリーの「更年期」を意味する「MENOPAUSE」の歌詞に力づけられる。
著者平安寿子によれば、小説家としてデビューしたときから、「更年期に至った女たちの群像劇を書く」のが願いだったということだ。著者曰く「日本文芸史上初の試み」である「更年期小説」をぜひお楽しみあれ。(lita)