
【Oil(老いる)】は、高齢者とそれ未満の人たちを読者対象に、年に2回定期刊行される。
表紙を飾る【Oil】編集代表の近山恵子は、10年の歳月をかけて栃木県那須町で、高齢者を中心とした多世代コミュニティの基盤作りを続けてきた。
現在進行形で、廃校になった小学校を拠点に、「那須まちづくり広場」を展開中。その再生工事、高齢者住宅の建設も紙面で追っていく、これまでの高齢者向き書籍、雑誌にはない、極めて個性的な情報誌ともいえる。
近山らが生み出した校舎再生プランは昨年「国土交通大臣賞を受賞」し、今年2021年10月にはその半分のリニューアル工事が終了し、簡易宿泊所もあることから、那須観光や研修、視察がたえない。
ここからは、いよいよ、「ひろばの家」と銘打たれた高齢者を中心とした100戸程度の住居、放課後等デイ、高齢者デイサービスなどが、校舎内外に作られていく。完成すると、住人、スタッフを併せ常時100人以上の人達がそこに住まい、仕事や活動をし、人と経済の循環を相互に生み出していくことになる。
この過程と、そこに至るまでの近山らの経験と知恵を【Oil】シリーズは追っていく。
こうしたコミュニティ構想の立役者たちは、近代文学研究、女性学研究者の駒尺喜美や女性解放運動家の小西綾を師と仰ぐ。この先人達の実践と教えを受け継ぐ、近山やその仲間たちが紡いできた「信頼」の網は、【Oil】編集のベースになっている。
激動する社会を「わたしらしく自由に生きる」という近山らの言葉は、高齢者にではなく、むしろ次世代にとっていのちのセーフティネットになりえる。
リアルで厳しいテーマから、眉間にシワがよりがちなところに、緩みと笑いを混在させる力技を編集委員達が見せる【Oil】。
タイトルリードに「OVER50 人生完成期の自由な暮らし」とあるが、40代でシリーズ本に出会えば人生が変わるにちがいない。
◆書誌データ
書名 :Oil(老いる)シリーズ1 あとまわしにしない「生活設計──「妻・親・子」の役割を降りてリアルに将来をみる
著者名:まちづくり広場【Oil】編集員会 編集代表:近山恵子
ペー数:128ページ
刊行日:2021/9/28
出版社:ジャパンマシニスト社
定価 :1430円(税込)
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
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