
映画公式HPより
映画『She Said (その名を暴け)』(2022年)
(公式HP https://shesaid-sononawoabake.jp/)をみたWAN会員やユーザーから「もっと多くの人にみてほしい映画です」との声をいただきました。
いただいた感想や新聞記事タイトルを掲載します。
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【映画『She Said (その名を暴け)』(2022年)を観て】 ◆ 加藤登紀子
2023年3月8日の国際女性デーに開催された別姓に関する院内集会で、夫婦別姓選択制をすすめる会からもらった会報に『She Said』の紹介があった。
観たいと思ったが関東ではシモキタ・シネマK2のみで当日と翌日だけ。その足で向かったK2は下北沢の駅に通じるビルの2階で客は10人もいなかった。
『She Said』は、ニューヨークタイムズの調査報道記者の2人の女性、ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーとが、ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・性的暴行を2017年にスクープ記事にし、ピュリッツァー賞を受賞した実話に基づいて描いている。
この記事は後の♯MeTooの大きな運動につながる。原作は、『その名を暴け―# MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―』(ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー著。古屋美登里訳。新潮文庫)。
女性記者の1人ジョディ・カンター役はゾーイ・カザンというアジア系のような顔立ちで小柄な体格の俳優で、親近感を感じた。トランプが大統領の頃で、もう一人の女性記者ミーガン・トゥーイーはトランプのセクハラの取材の中で嫌がらせと脅しを受け精神的に落ち込み仕事を休むが、ワインスタインのセクハラ取材に加わることを決意し意欲を取り戻すのも興味深い。
2人の記者が協力して取材を進めていくのも。編集長らしき黒人の男性がワインスタインと電話できっぱりと対応し、白人だが男性と女性の2人の上司が記者を支える。多様なアメリカ社会らしい。
被害にあった女性たちの多くは、権力をもつワインスタインとの示談に応じ、口外しない契約もしてしまっていて話したがらない。どうやって記事にこぎつけるのだろうと興味深く観た。
女性記者は被害者を訪ねて西海岸やロンドンまでも飛ぶ。取材では被害者を追い込むことはせず、あくまでも被害者の意思を尊重して連絡を待つ。
示談金はワインスタインの会社から出ているはずと会社の財務担当の男性を訪ねるのも、記者の目のつけどころがいい。財務の男性と何度か会い、被害者からの取材メモを見せると、事態の深刻さを改めて知った彼が自分のスマホを「自由に見ていい」とトイレに席を立つ。やったー!という感じだ。ワインスタインの弁護士からも、示談は8~12件あったことを聞き出していく。被害者の一人が、オンレコ(記事)にしていいと記者に電話で話した後、これでいいのだという表情で乳がんの手術に向かうのも胸を打たれる。最後は、記者と上司5人がパソコン上の記事を確認した後、クリックして記事を送るところで映画は終わる。
2人の女性記者が協力して一歩づつ取材を積み重ねる映画で、いろいろな人が出てくるのでフォローしづらいところもあるが、観ておきたい映画だと思った。『She Said』の邦訳は『その名を暴け』だが、「被害者は語った」という意味の原題の方が内容はわかりやすい。
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新聞記事:
【レイプ告発は「灼熱の砂漠」 被害者が語る「SHE SAID」 - 毎日新聞 2023/1/20 23:13(最終更新 1/27】https://mainichi.jp/articles/20230120/k00/00m/040/340000c?fbclid=IwAR2ggFUJuMgLqcISBjlGrbIOYuCQfL7pMs_ZrNHld8UQUHye7YQQfLlnt58
【映画「SHE SAID」 見る前に知っておきたいハリウッドの闇 - 毎日新聞 2023/1/21 15:00(最終更新 1/21 23:23) 】https://mainichi.jp/articles/20230121/k00/00m/040/091000c
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WANサイトの関連記事:
『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』(ジョディ・カンター / ミーガン・トゥーイー 著、古屋美登里 訳) ◆島崎 恵 https://wan.or.jp/article/show/9126
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原作はこちら
『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』(ジョディ・カンター / ミーガン・トゥーイー 著、古屋美登里 訳)
文庫はこちら
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ほかにも、
映画『She Said (その名を暴け)』(2022年)を見たWAN会員の方からは、
「映画館の観客が少なくてもったいない、ぜひ見てほしい映画」
「どこも、本当に告白するのは、大変です。ジャーナリストの努力に頭が下がります」
「1988年公開の映画『告発の行方』 (https://movies.yahoo.co.jp/movie/7792/ yahoo映画での紹介)を見直したくなった」
などの声が寄せられています。
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