おかげさまで、6月16日に、刑法性犯罪規定の改正が参議院本会議で全会一致で採択され、成立しました。
昨年の秋頃までは、「拒絶困難」等おかしな要件に法制審議会の多数が固執している状況でしたが、 その後様々な形で皆様に声を上げていただいたおかげで、「同意しない意思」を中核とする構成要件に修正され、 法案では最終的に「不同意性交等罪」となりました。
性交同意年齢に求められた「対処能力」に関する要件も撤廃され、年齢差5歳差要件は残りましたが、それでも13歳から16歳に引き上げられました。
閣議決定された法律には様々な懸念(本当に不同意性交等罪といえるのか)、課題(公訴時効、性交同意年齢の年齢差要件、地位関係性利用、障害者に対する性犯罪等)がありましたが、課題を明確にしたうえで5年を目途に見直すとの付則が定められ、衆参で非常に良い付帯決議が採択されました。衆議院の付則修正の提案理由においては、本法律は NoMeans Noであることが示され、5年後の検討課題にはYes Means Yesも視野に入ることが示唆されました。国会審議を通じ、改正法がほぼNo Means Noをカバーすること、地位関係性を利用した性行為も広く処罰対象としうることが確認できました。
市民、被害当事者や支援者、女性たちの声が届いたと評価できると思います。
様々なかたちで声を上げていただき、また要請書への賛同等本当にありがとうございました。
今後は法律の適切な実施を見守りつつ、5年後の見直しにてより被害者が守られる改正を勝ち取っていきたいと思います。

16日に会見を開催し、下記の通り報道されています。

刑法改正市民プロジェクトの声明
https://community.camp-fire.jp/projects/399659/activities/484667#

Springの見解
http://spring-voice.org/news/statement230616/

記者会見でのヒューマンライツ・ナウ 伊藤のコメント
https://note.com/1623354/n/n40577b6388ba?fbclid=IwAR0cv41S1RT_QVRyNl_whliDDht7 CajL_Bxxh84gEkik32w9ESwkjCLfric


通常国会では極めて問題な法律も採択され、バックラッシュも懸念されますが、連帯することで勝ち取った成果を力に、これからも多くの方々と連帯し、次につなげていければと思っております。
本当にありがとうございました。
今後とも様々な課題で、どうぞよろしくお願いいたします。

弁護士 ヒューマンライツ・ナウ副理事長 伊藤和子

(報道・他にも多々あります)

【NHK】
『「同意のない性行為」とは 性犯罪の刑法改正 ポイントを解説』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230616/amp/k10014101051000.html

【TBS NEWS DIG】
『法案成立評価も「課題が残る」 性犯罪の刑法改正受け 被害者支援団体らが会見 今後は性犯罪の時効撤廃など求める』
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/547523

【共同通信】
『「声届いた」改正刑法に感慨 性被害の当事者ら、啓発も要望』
https://www.47news.jp/9466446.html

【時事通信】
『「求めてきた改正、感無量」 性被害当事者ら歓迎―改正刑法成立』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023061600983&g=pol

【朝日新聞】
『性被害当事者ら「声届いた」「前進」 改正刑法
「要件不明確」の声も』
https://www.asahi.com/articles/ASR6J6KRRR6JUTIL00H.html

【毎日新聞】
『「性被害者の声が社会変えた」 何度も何度も訴え 改正刑法成立』
(会員限定)
https://mainichi.jp/articles/20230616/k00/00m/040/329000c

【日本経済新聞】
性犯罪規定見直しの改正刑法成立 処罰要件明確化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE29B030Z20C23A5000000/

弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/c_1009/n_16142/

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