2012.01.17 Tue
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1992年の初版刊行以来,女性学の入門書として定評のある井上輝子著『女性学への招待』は,97年に新版が出た後,長らく改訂が待たれていました。
初版から20年,女性の人生の何が変わり,何が変わっていないのか。
女として育てられ,女としての人生を歩んでいる女性たちが,家庭で,学校で,職場で,恋愛や結婚生活のなかで,
妊娠・出産・育児,また更年期や高齢期を迎えるなど,ライフステージの各段階で,男ではなく女であることによって,直面する問題や選択肢,葛藤や揺らぎを具体的に描き出すためには,20年前の枠組みでは描き出せない。
ということで,今回,章構成も組み換え,内容を刷新し,「第3版」ではなく『新・女性学への招待』という新しい本として刊行いたしました。
女性学の視点でみるとまだ男女平等にはなっていない世の中のしくみが本書でよくわかります。
教科書の執筆者や登場人物は男性が多く女性が少ないことから始まり,学校にもあるセクハラ,男女の賃金格差,共働き世帯の増加と家事労働を担う妻の問題,女性が多い非正規雇用の問題,母子世帯の貧困率の高さ,現代の子育て事情,介護問題……などなど,すべてデータで明快に示されています。
女性のライフコースが多様化する現代,さまざまな生き方を理解するために,女性にも男性にも読んでいただきたい入門書です。(編集者 松井智恵子)
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