エッセイ

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少女マンガブックガイド―番外編―

2012.01.29 Sun

女同士のつながり特集として、座談会やマンガ紹介をお届けしてきました。

今回は明治大学米沢嘉博記念図書館・白峰彩子さんのご協力を得て、さらにオススメ作品をご案内します!

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『友だちの話』山川あいじ,河原和音(集英社マーガレットコミックス)

地味で容姿に恵まれない英子と強気な美少女のもえは親友同士。もえは多くの男子から告白されるものの、「自分より英子を優先させること」という交際の条件を出し、断りつづけている。その条件を飲んだ黒田と、英子に想いを寄せる鳴神との4人の関係が描かれる。女子ふたりの友情の強固さが最大のフィクションなのだが、美醜それぞれの容姿からくるコンプレックスがそれを支える。

河原和音が原作。山川あいじの英子の絵がイケてない容姿を無駄なく表現しており、この絵でなくてはと思わせる作品。[clearboth]

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『はやて×ブレード』林家志弦(集英社ヤングジャンプコミックス)

「剣技特待生」という特殊な制度のある天地学園を舞台とする女子校もの。剣技特待生は、刃友として2名1組となって「星奪り」を争う。ケガをした剣技特待生の姉の代わりに入学した黒鉄はやてを中心とする剣技特待生たちをめぐる物語。

主人公・はやては施設育ち。他の剣技特待生たちもそれぞれシリアスな事情がある。友情だったり、疑似家族的なつながりであったり、しがらみがあったりと刃友同士の関係は多様。設定は深刻だが、はやての無鉄砲で底ぬけに明るい性格が痛快な、「バカ」を合言葉にしたコメディ。[clearboth]

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『あなたとスキャンダル』椎名あゆみ(集英社文庫コミック版)

男の子だと思って好きになったが、女の子だとわかってがっかり──という展開はありがちだが、この作品は「それでもいいっ」と開き直ってしまう。この展開に当時はおどろいた。掲載誌は小学生がターゲットの雑誌「りぼん」。

友香が開き直る主人公で、芹香がそれに困惑する女の子。ふたりを含めた5人でやっているバンド活動を軸にしたコメディ。

開き直ったものの友香が芹香に具体的にどうするというのはない。一目惚れからはじまった憧れが、巻を重ねるにつれて友情に変化していく。最終的に友香はバンドメンバーの保とつきあうが、友香の中で芹香は大好きだった人という位置は変わらず、特別な存在のまま終わります。[clearboth]

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『嘘つきな真珠たち』竹宮恵子(小学館プチフラワーコミックス、eBookJapan

女性の人生を軸に据えた連作。「vol.3 オレンジ・ブロッサム・ブルース」はひとりの男性を挟んで、ふたりの女性の変化を描く。「vol.4 白梅」は、とある地方都市が舞台。隣家の女性から少女誌を借りて読む少女が主人公。女性にはつきあっている男性がいるけれど、お金持ちとの縁談を勧められ、最終的にはお金持ちと結婚する。

女性が少女に本音をもらすラストが印象的。女性が抱えるしがらみとは無縁の他人はたくさんいるはずで、そのなかで少女が選ばれたのはなぜか?

単に居合わせたタイミングなのかもしれない。けれども少女誌を共有する関係があることで、主人公の少女でなくてはならない説得力がある。[clearboth]

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『海の天辺』くらもちふさこ(集英社文庫コミック版)

中学生のシーナと河野先生の恋愛を軸にした物語。シーナのいちばんの友達として出てくるキョーチは、好きな人がいるとは言っているが教えてくれない。最後の最後になって、好きな人とはシーナであったと言う。

友達なのになぜ?という行動の謎がそれで解けるという仕掛け。そのどんでんがえしにおどろかされた。

告白された側をとまどわせるだけの、恋愛がからまない強い独占欲を含む感情は「若いなー」と思わされる。美しくもないけれど生々しい10代前半の描写にはせまってくるものが。こじらせる前に告白せざるを得ない状況になり、ガス抜きも適度。[clearboth]

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『桜京』池田理代子(集英社マーガレットコミックス、eBookJapan

池田理代子はデビュー作「由紀夫くん」からほぼ一貫して女同士の関係を描いている。両親を亡くした勝子は、東京の伯母・夏子の家にひきとられる。同居することになったいとこの京は、男まさりの少女。内気な勝子を京が見守り、またひっぱっていくかたちでエピソードが積み重ねられていく。

勝子が垢ぬけていく描写は池田理代子ならでは。途中、勝子・京ともに夏子を裏切った男性の子であることが明らかになる。勝子と京は姉妹ではないが、夏子の過去の乗り越えた末の愛情を媒介とした絆を持ち、夏子と京の関係は親娘以上の特別な関係として描かれる。この作品には京が想いを寄せる男性が出てくるけれど、空気感ハンパないです。[clearboth]

ご協力をいただいた明治大学米沢嘉博記念図書館は、故・米沢嘉博氏の蔵書を基に設立された「まんがとサブカルチャー」の専門図書館。18歳以上の一般の方に広くご利用頂けます。まんがをさらに楽しむためのイベント企画や展示も魅力的です。ぜひ、訪れてみてください。

詳しくは→http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/index.html








カテゴリー:女同士のつながり / シリーズ

タグ: / フェミニズム / 漫画