2012.07.02 Mon
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.よしもとばななはほとんど読んだことなかった。
たまたま手にとって読んだら、ほわほわしていておもしろかった。 どんぐり姉妹のどん子とぐり子が、インターネットを通じて、見知らぬ相手とつながり言葉をかわす。ぐり子はまた、夢を通じて昔好きだった男の子に辿りつく。彼女たちはネットや夢という茫洋とした回路を通じて、世界となんとかつながっている。
両親を事故で亡くしたためか、どん子もぐり子も子どもであったときの時間を突然断ち切られていて、だから彼女たちはどこか不器用で、迷子のような存在に見える。
彼女たちがサイトを通じて、あるいは夢を通じて、世界とおずおずとつながっていく様子は、子どもであったときの時間を別の形で取り戻していくことでもあったのだと思う。 ぐり子は最後、引きこもっていた家から出て、姉と一緒に旅に出る。
「今はほんとうに旅をしているけれど、たとえ旅をしていないときも、旅をしているような暮らしだなと思った。どこに行くのかはわからない。この、夢と現がまじりあって、たまに接触したり離れたりする大きな広い海のなかも。」(151-152頁)
それでもやっぱり彼女たちは漂流している。旅をしているような暮らし、というのが気に入った。この世はかりそめの宿で、与えられた身体で生の時間を漂っている。確固したものなどない。だからこそ失ったものも、今自分が手にしているものも、すべて愛おしい。
少し切なく、でも、それくらいの気持ちでいられたらいいよね、と思える読後感だった。(theta)