
韓国現代文学に描かれている〈弱さ〉のありようが、読む人の心に光を灯す
NHK出版より11月11日、韓日翻訳家の小山内園子さん著『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』が刊行されました。
チョ・ナムジュ著『82年生まれ、キム・ジヨン』の大ヒット、そして『菜食主義者』『少年が来る』などの作品で知られるハン・ガンが今年のノーベル文学賞を受賞するなど、日本で、世界で、いま韓国文学が大きな注目を集めています。
韓国の現代文学の魅力はどんなところにあるのでしょうか?
著者の小山内さん自身も、韓国現代文学に大いに魅せられている一人。その小山内さんが、数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、この問いを深く考えてたどり着いた答えは、「どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから」というものでした。
〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のことを意味します。韓国の現代文学には、試練の歴史のなかで選択を迫られたり、暴力的な社会のなかで声を奪われ、追い詰められたりする人たちが多く登場します。女性、子ども、貧困に陥った人、差別や暴力に苦しめられる人、等々、さまざまな〈弱さ〉に置かれた人びとの思考やふるまいを、韓国の作家たちは、真摯に描いている――。そこに、読み手の心をふるわせる力があるのだと思います。
本書では、多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。ぜひ本書をお読みいただき、またそこから韓国現代文学の豊かな鉱脈へと歩みを進めていただければと思います。
<本書で取り上げる作品>
パク・ミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』
チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』
カン・ファギル『別の人』
パク・サンヨン『大都会の愛し方』
孔枝泳『椅子取りゲーム』
パク・ソリョン『滞空女 屋根の上のモダンガール』
キム・スム『Lの運動靴』
ファン・ジョンウン『ディディの傘』
イ・ヒヨン『ペイント』
キム・ヘジン『中央駅』
チョン・セラン『シソンから、』
ク・ビョンモ『破果』
チョ・ナムジュ『私たちが記したもの』
◆書誌データ
書名 :〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学
著者 :小山内園子
頁数 :240頁
刊行日:2024/11/11
出版社:NHK出版
定価 :1870円(税込)
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
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LGBT
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