(承諾を得て記事URLをご紹介させていただきます)
VOGUE JAPAN 2025年7月10日掲載記事 https://www.vogue.co.jp/article/interview-yayo-okano より
(イタリック部分)

女性こそが最も政治に近い存在?──選挙を前に政治学者の岡野先生が教える投票ハウツー」
7月20日(日)の参議院選挙を前に、政治とフェミニズム、ケアを研究する同志社大学教授の岡野八代先生に、選挙にまつわる疑問の数々に答えてもらった。政治も選挙もよくわからないなら「まずは文句を言うこと」──、女性たちが政治の場から排除されてきた背景を紐解きながら、投票に向けての“ヒント”をもらう。


https://www.vogue.co.jp/article/interview-yayo-okanoより

岡野八代さんからWANサイトに、Vogueインタビュー後の感想をいただきました。

 インタビューを受けて、若い人たちが、政治に頼っちゃいけないとこんなにも強く自己規制しているのだと、痛々しい思いがしました。
 また、いろいろなマイノリティの人たちからみると、選挙なんて結局多数決だから、自分たちの思いは伝わらないとあきらめてしまうことがあるとも伺いました。
 ひとりの国会議員は、ワンイシューで仕事をしているわけでもありませんし(そういう政治家もいることは確かですが)、むしろ、気になる候補者に、どんどんと不平不満を伝えることが大事だと思います。
 もっといえば、そういう不平不満を聞いてくれそうな候補者を是非とも見つけてほしいです。
「日本は~」とか、「日本人は~」という大きな主語でなく、わたしたちに寄り添ってくれそうな候補者をみつけてみましょう。
政治はわたしたちの生活、そして意識のすべてに影響を与えています。
「なにを政治のせいにしたらいいんだろう」から、「みんな政治のせい」へ。
そこから、選挙を見てみると、またちがった社会が見えてくるはずです。

https://www.vogue.co.jp/article/interview-yayo-okanoより

岡野八代さんがインタビューに答えるVOGUE掲載記事は、
こちらから全文をお読みいただけます。




岡野八代(Yayo Okano)
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教員、専門は西洋政治思想史・フェミニズム理論。現在は、歴史的に女性たちが担ってきた無償のケア労働の社会的、政治的意義を分析することを通じて、既存の政治学が理解する政治概念を見なおす研究を行う。

主要著書
「法の政治学一一法と正義とフェミニズム」(青土社、2002)
「シティズンシップの政治学一国民・国家主義批判」(増補版、白澤社、2009)
「フェミニズムの政治学_ケアの倫理をグローバル社会へ」(みすず書房、2012)
「戦争に抗するーーケアの倫理と平和の構想」(増補版、岩波現代文庫、2025)
「ケアの倫理ーフェミニズムの政治思想」(岩波新書、2024)
共著
「家族一一新しい「親密圏」を求めて」(自由への問い7、責任編集、岩波書店、2010)
「生きる一一間で育まれる生」(政治の発見 1、責任編集、風行社、2010)
「グローバル・ジャスティスー一新たな正義論への招待」(ミネルヴァ書房、2013)
「思想の廃墟から一一歴史への責任、権力への対時のために」(彩流社、2018)
「女性たちで子を産み育てるということ一精子提供による家族づくり」(白澤社、2021)
「結婚の自由ー一「最小結婚」から考える」(白澤社、2022)
「日本は本当に戦争に備えるのですか?一一虚構の「有事」と真のリスク」(大月書店、2023)
翻訳畫
エヴァ・フェダー・キテイ「ケアの倫理からはじめる正義論一一支えあう平等」(共訳、白澤社、2011)
ジョアン・C・トロント「ケアするのは誰一一新しい民主主義のかたちへ」(訳・著、白澤社、2020)
ケア・コレクティヴ「ケア宣言一一相互依存の政治へ』(共訳、大月書店、2021)
アイリス・マリオン・ヤング「正義への責任」(共訳、岩波現代文庫、2022)
エヴァ・フェダー・キテイ「愛の労働あるいは依存とケアの正義論」(新装版、共監訳、白澤社、2023)
ジョアン・C・トロント「ケアリング・デモクラシーーー市場、平等、正義」(監訳、勁草書房、2024)