今回は、WANac2番外編 「うえの式質的分析法を上野先生に学ぶ」1泊2日浜松合宿のご報告です。 全国津々浦々からWANac2期メンバー、そして上野先生が浜松に集合。 「うえの式質的分析法」を頭と体に叩き込もうと、真剣勝負の2日間でした。

合宿の細部まで伝えてくれる「合宿レポート」を掲載いたします。
来月は4月から始まったWANac2期も折り返し地点、スピードアップして頑張ります!

「合宿レポート」

1. 学んだこと・わかったこと

・事例研究の重要性とおもしろさが理解できた
 6月の研究計画書リベンジ発表のあと、上野さんからいただいた「・・・一般論では無く事例研究で示してください」というコメントの意味することが理解できた(と思う)。同時に事例研究のおもしろさを知った。事例から導き出されるものを整理し、分析することによって、これほどの「生(活)きた」情報が得られるということ、それよって「生(活)きた」研究となり得るというイメージ・感覚を持つことができた。

・一次情報の重要性が理解できた
 KJ法の活用によって、一次情報の整理を論理的に行うことができ、さらに第三者にもわかりやすく論理や考察の根拠を提示できることがわかった。さらに、曼荼羅図の活用によって、視覚的に一目で伝えることが可能となる。社会学・人類学という結論を導き出すまでの過程が理系学問に比べて見えにくい分野において、この根拠を一目で見ることができるというのは貴重である。

・グループの人数やカードの数、分類数の適正サイズが体感できた
 グループメンバー4~5名で議論し、1時間のインタビューで出てくるカード(情報ユニット)が100~150枚、それを分類したグループ数が20~30・・・といった形で、自身で手を動かし、議論し、作業して出てくる数値が本に書いてあったものと同じような数字となることに驚いたとともに、適正サイズを体感することができた。経験値の確かさが実証された。

・システマティックで、誰もが応用できる手法であるということを体感した
 手法がとてもシステマティックで、言説として書き出したものをある意味機械的に二値論理で分類し、因果関係、対立関係、相関関係で整理するという、その手順を追って整理していくだけで分析ができ、ストーリーができることに驚いた。脱文脈化し、再文脈化することによって、それまで見えていなかったものが浮かび上がってくるというのも興味深かった。新しいものを発見する喜びを感じることができた。

2. わからなかったこと・もっと学びたかったこと

・マトリックス分析の方法を学びたい。
 コードの抽出の仕方、分類方法など、マトリックス分析の方法をもっと学びたい。

3. 学んだことの活用方法

・WANac2での研究への応用
 現在、研究計画書の内容を引き続き練っているところであるが、この研究にKJ法やうえの式質的分析法を活用したい。本末転倒かもしれないが、この手法が使えるような事例研究を行い、これらの手法を使うことによってどのような結果がでるのかみてみたい。(とても興味がある)

4. 所感

・対面で知り合うことの大切さ。
ゼミで、自分の発表を聴いている相手は誰なのか、その発表をしているのは誰なのか、その発表内容の奥にあるもの、画面の奥にあったものを今回の合宿で少し知ることができた。これからのゼミでも、相手の人となり考え方なりをより想いながら発表やレスカができるようになったかなと。

・「上野先生」のすばらしさ・・・
 限りある貴重な時間を使って、ご自身の知識、経験を惜しげもなく全力で共有してくださったことに心より感謝です。「上野先生」は、やはりすばらしくて、そしてやっぱり怖いなと・・・
とても貴重な出会い、学びの場をつくっていただき、心より感謝いたします。
どうもありがとうございました。