
わたしと同じ境遇、同世代の表現者である山本さん。
わたしたちは「普通に」生きている、わたしたちは「普通に」子育てをしている、だけなのに日常がサバイバル過ぎて、日々暮らしている地域にさえなかなか姿を見せられないジレンマ。
この写真集で山本さんは、医療的ケア(以下医ケア)が必要な子どもの、特別支援学校への登校の「付き添い」をする自分、つまり「母親=ケア要員」のことを「透明人間」と表現し、その「もやもやとした怒り」を写真と言葉で可視化しています。
現状、重度の医ケアのある子どもの学校付き添いは、子どものケア度が重ければ重いほど不可避です。しかもだいたい特別支援学校は自宅の徒歩圏にはなく、遠い…。それをしながら必死に日々をまわす中で、地域に顔をみせる余裕のないわたしたちの日常。
この本の作品をみてわたしはさらにそこから、当事者家族としてもふだんなかなか地域に姿を見せられていない自分たち家族ごと、「透明人間」的な部分もあるのかな、と感じました。
まだまだ現代日本の世の中的に「ケアワーク」は「母親=女性ありき」なのかという社会の闇。
こうしてその現状を可視化することで、作品をみたそれぞれの人に伝わり、おのおの何かしら心にのこるものがあると思います。
当事者や関係者でなくとも、「普通に」世の中にはこんな人や家族がいるのだと、広く知ってもらえたなら、より良い社会や世の中になっていくのでは…と、わたしはこの本から希望を感じました。「どんな人にもやさしい社会とは?」を考えるきっかけになりうる作品です。
たくさんの人に知ってもらいたい「わたしたちの日常」がそこにありました。
決して美談ではないし、わたしたちも「普通に」それぞれの街で生きて暮らしています。
社会の歪みの中で、みえない不可避なケアを担う人の声をぜひみて、きいてみてください。
◆書誌データ
書名 :透明人間 Invisible Mom
著者 :山本美里
頁数 :144頁
刊行日:2023/12/8
出版社:タバブックス
定価 :2640円(税込)
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