2011.11.13 Sun
拡がるブックトーク:報告『ジェンダーと教育』@札幌市男女共同参画センター
10月22日(土)「拡がるブックトーク」を開催いたしました。
たくさんの方にご来場いただき、本当にありがとうございました。
前半は、天野正子さんによる講演「教育とジェンダーの現在」。学校教育の問題点を鋭く指摘され、知らず知らずのうちにジェンダー意識を植え付けられている、というお話を聞きました。教育者だけでなく、親も含めすべての大人が、細心の注意を払っていかなくてはならないということに改めて気づかされる内容でした。
天野さんのお話の後は、休憩時間を利用して「インフォメーションカフェ」を行いました。天野さんと、後半ご登場いただく上野千鶴子さん、また受講者の方々からお薦めの図書をご紹介いただきました。その他、WANのサイトについてのご紹介、今回会場となった情報センターを紹介させていただきました。休憩時間ということもあり、皆さんリラックスした雰囲気で楽しんでいただけたようです。
後半は、天野さんと上野さんの対談「教育とジェンダーのこれから」。お二人が研究されてきた道のりやきっかけ、現在の教育または就労システムの問題点などについてお話いただきました。天野さんのふんわりとした雰囲気と上野さんの鋭くズバッと斬り込む語り口が絶妙で、聞いていて非常に心地のよいものでした。
終盤の会場とのディスカッションでは、教育現場での評価についてや、憲法、セクハラの問題、テレビ番組など、多岐にわたる話題で講師のお二人と参加の方々とのやりとりがみられました。
最後に上野さんから、北海道における原発の問題を投げかけられ、会場全体が言葉に詰まる場面も……。
参加された方からは、“お話を聞くことで生きていく上での力となった”との声が多く聞かれました。札幌の女性たちが変わっていくきっかけとなる、楽しくも考えさせられる会となったようです。
★受講者の感想より:
・「中学校教員で進路指導を担当しております。今日の天野先生のお話ではハっとさせられることがあり、これから気をつけていきたいと思いました。ありがとうございました。上野先生の本は前から色々読んでいて今日はとても楽しみにしてきました。お話が上手でますますファンになりました。」
・「天野さんがカラダが弱くて看護職と医師の立場の疑問から、博士論文を書いた、と話してくれたとき、涙が出ました。」
・「一度お話を伺いたいと思っていたお二人です。ジェンダーの流れがわかり、大変有意義でした。できれば娘(大学生)にも聞かせたい、と思いました。センターの方、また企画してください。応援しています。ありがとうございました。」
・「何か停滞していた気持ちが何か少し動き出した気がする。私にできる社会参加“あるようだ!”今しているワーカーズ(福祉)は自分たちで作り出したもの“誇り”を持って働こうかなーと反省。賃金がもっと高くなるよう…もっと別な働きかけが必要かと思う。介護は安すぎる→これを魅力あるものにしなくちゃ!!もう一つは女の声を政治に届けるルートを増やしていくことをもっと実践的に何かできるかな~!」
・「新しい視点、考え方を知ることができたといえるように、日々の生活の中で深めていきたい。」
・「今日はお二人の生の声をこんなにまじかで聴かせていただいてありがとうございました。私の力にしていきます。」
■札幌市男女共同参画センター:石垣暁子■
カテゴリー:拡がるブックトーク2011
タグ:女性運動 / 本 / 上野千鶴子 / ジェンダーと教育 / 札幌市男女共同参画センター / 天野正子 / ジェンダー意識 / インフォメーションカフェ