時局発言!読書の現場から
上野千鶴子 著
WAVE出版 発行
2017年2月 発行
みなさんは、情報が欲しいだろうか?欲しいという方はどんな情報が欲しい?政治?原発?文化?ジェンダー?性?仕事?食?育児?将又、老後に関すること?
あなたにとって、「いま」が重大な時局。いままで生きてきた時間のなかで、最新かつ唯一の局面を迎えている。そんなあなたの「いま」に、ハッと驚きを与え、閃光が走るかもしれない『時局発言!読書の現場から』。
『本書には日本と世界が激動したこの4年間のわたしの軌跡が、そのまま刻印されている。』(まえがきp.5)と上野さん。現実と書物を通して、社会学者・上野千鶴子の感じたままが綴られている。正直、胸のワクワク、動悸?いや、興奮がとまらない。歯切れ良いテキスト。年月を重ねて丸くなったと語る上野さんだが、やっぱりまだまだ切れ者。言説には本質を突く鋭さがあり、躍動感にあふれる言葉に胸が躍る。本書で紹介されている様々なジャンルの本に興味をそそられ、すべて読み終わるころには、読みたい本が山積する。こうして、本という媒体を通して自分へ、興味の矛先が向けられていく。
「とくにこれと言って、情報が欲しいとは思わない。」と思っている方でも、一度手にしてみてはいかがだろう。無意識の自分を発見する「いま」に遭遇できるかも。時局はいつも動き続けている。あなたのいまも変化の真っ最中。情報は刺激となり、さっきとちがうあなたがいる。
■ 堀 紀美子 ■
『時局発言!読書の現場から』(WAVE出版 2017年2月発行)
第1章 社会を変える
第2章 戦争を記憶する
第3章 3.11以降
第4章 格差社会のなかのジェンダー
第5章 結婚・性・家族はどこへ?X
第6章 障・老・病・異の探求
第7章 ことばと文化のゆくえ