韓国の女性人権団体である、韓国女性民友会メディア運動本部から送られてきた、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でのキム・キドク監督招待作品取り下げ運動に関する情報提供と連帯のアクションのお願いについての文書をヒューライツ大阪の協力で翻訳しました。

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2月12日に韓国女性民友会メディア運動本部が「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」に送ったメールです。

受信:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
標題:2019年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオープニング作品の選定に関して


1. 私たち韓国女性民友会のメディア運動本部は、ジェンダー平等の社会のためのメディア政策の監視及びモニタリング、青少年へのメディア教育などを展開している団体であり、女性芸能人のための人権支援センターを運営し、女性芸能人及び芸能界志望者の人権改善のための相談、法律アドバイス及び支援活動を行っております。
2. 当団体は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオープニング作品でキ厶・ギドク監督の作品が選定されたことに関し、深い遺憾の意を表して、2019年2月8日に映画祭の公式ツイッターアカウント(@yubarifanta)に送った抗議文と公式文書をともに提出します。
3. さらに、私たちは、オープニング作品の「人間、空間、時間、そして人間」の選定取り消しを求めていますが、これに対する映画祭側の立場について、2月20日までに返信をいただけますようお願いします。ありがとうございます。

<別添> ‘ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の関係者の皆様へ : キ厶・ギドク監督の映画をオープニング作品として招待することに関して’

                ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の関係者の皆様へ

2019年2月8日の記事で、3月7日に開かれる第29回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオープニング作品に、キ厶・ギドク監督の映画<人間、空間、時間そして人間>が選定されたことを知りました。
この映画は、昨年のベルリン国際映画祭に招待された際にも、世界的なMeToo運動の流れと合わない内容であるとして評価は冷ややかなものでした。キ厶・ギドク監督は映画の撮影中に「演技指導」という名目で行ったあきれた暴行事件で罰金刑を受けたにも関わらず、映画祭の期間中に行われた記者会見では自分の過ちをまともに詫びることなく、言い訳と無実を訴えたことで批判されました。
ベルリン国際映画祭以降、韓国の時事問題について放送するテレビ番組ので、再び告発されたキ厶・ギドク監督は、やはり反省はおろか、のスタッフと被害者の女優を誣告(虚偽告発)の疑いで告訴しました。しかし検察は、「取材の過程を調べてみると、真実であると信じるについて相当な理由がある」とし、スタッフと被害者に「嫌疑なし」という処分をくだしました。
キ厶・ギドク監督の性暴力事件はまだ進行中です。このような理由により韓国では、<人間、空間、時間そして人間>の封切が取り消されたのでしょう。


また貴映画祭は、2017年に韓国で‘男性俳優Aの性暴力事件’で知られた加害者が主演する映画を招待したことがあります。そして再び、キ厶・ギドク監督の映画をオープニング作品で選定したということは、加害者の味方になろうとする意思を表しているとしか思われません。
世界的なMeToo運動の流れの中で、加害者として耳目を引いた人が相変わらず活発に活動できるのは、映画撮影の現場で発生した性暴力、人権侵害の問題に沈黙し、加害者を応援し続けたり、招待し、キャスティングするからです。
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のホームページを見ると、「世界で一番、楽しい映画祭」というキャッチフレーズを掲げています。映画界における性暴力に対する問題提起に背を向けることは、全く楽しいことではありません。キ厶・ギドク監督の映画をオープニング作品として招待することを取り消してください。映画芸術という名の後ろに隠された不当な現実を黙って見過ごさず、このような現実を変えるために一緒に努力していただけるようお願いします。

2019年2月8日
韓国女性民友会 女性芸能人人権支援センター

           #キム・ギドクのオープニングを取り消せ
             #それは演出ではなく性暴力です
              #STOP映画界内の人権侵害
               #STOP映画界内の性暴力
                  #MeToo

          【日本のフェミニストへの呼びかけ】

  日本のフェミニストおよび女性運動団体などで、私たちと共に行動してくださるよう要請する内容は以下の2点です。
やや長い説明ですが、ご一読いただき、連帯していただけるかどうかお返事をいただければ幸いです。

提案1.ゆうばり映画祭に抗議するツイッターハッシュタグ、抗議文の送付など
: 映画祭側のツイッターアカウントは@yubarifantaです。
ご参考までに、当団体が先日2月8日にツイッター上で夕張映画祭側に問題提起をする際に使用したハッシュタグを共有します。
ツイッターでまず問題提起をし、日本語に翻訳をし、2月12日公的な文書の形式で映画祭に再び送りました。 2月20日までに映画祭の立場について送ってほしいと要求しましたが、返事が来るかどうかは分かりません。
キム·ギドク監督の映画がオープニング作品から取り消されるのは難しいだろうという記事が多く、肯定的な状況ではないと思います。
そうであっても、私たち団体の他に、日本の多くのフェミニストのみなさんがこの問題に注目して問題意識を持っているということを映画祭側へ、より伝えることができればと思います。
メールやツイッター、電話、ファックスなど、やりやすい方法で問題提起をしてくださればいいと思います。その際には私たちの団体で使ったハッシュタグを活用していただければ幸いです。
私たちも韓国内における他の映画の団体や個人に、共に問題提起をしていただけるよう要請をしています。 20日に映画祭側の回答がない場合どうするかを相談しているところです。

#김기덕_개막작_취소하라
#キム・ギドク_オープニング_取り消せ
#それは_演出じゃ_なくて_性暴力です
#STOP_映画界_内の_人権侵害
  #STOP_映画界_内の_性暴力
#MeToo
*参考① 当団体のツイート文を確認できるリンクです。上述の内容の一部をハングルで書いたものです。 https://twitter.com/womenlink/status/1093777641537134593

*参考② 夕張映画祭情報
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 事務局 http://yubarifanta.com
ゆうばり映画祭サポーターズクラブ係
〒068-0403
北海道夕張市本町3丁目336番地
TEL:0123-57-7652 / FAX:0123-57-7653 Mail:a-takahashi@next-yubari.co.jp

提案2.映画祭の開幕式当日に抗議の抗議の声をあげる

映画祭側に抗議公文の提出や、オンライン上のハッシュタグ運動への参加のほかにも、オープニングセレモニー当日に抗議の声をあげることをしてはどうかと考えました。 3月7日に映画祭のオープニングセレモニーとともに映画が上映されることを承知しています。 私達が直接行くことができれば良いのですが、それが難しい状況なので、慎重にしなければいけないと思いますが、オープニングセレモニー当日に抗議の声をあげていただけるような日本の団体や個人の方たちがいらっしゃれば助けていただきたいと思います。

その時に使う文言や例示イメージは私達が今後作って配布します。

私たちのSNSでもオープニング作品が取り下げられなければ、オープニングセレモニーの当日に行ける方がいるかどうか広報をしてみる予定です。

-韓国女性民友会メディア運動本部

【関連記事】日本のフェミニストへの呼びかけ(韓国語版)
https://wan.or.jp/article/show/8248