(撮影・櫻町直樹)



2019(平成31)年3月22日の訴訟提起から4年弱に渡り、学校法人東京医科大学を被告として、入学試験における「属性調整」の違法性を問うてきた損害賠償請求訴訟ですが、前回エッセイ( https://wan.or.jp/article/show/10439 )でお伝えしたように、3月7日に実施された期日をもって控訴審(東京高裁)での弁論が終結となりました。 



弁護団は、「性別」という自己のコントロールが及ばない要素に基づき、一律に得点を減点(改ざん)する「属性調整」そのものが違法であり、正当化する余地はないことを主張し続けてきましたが、一審では残念ながら「本件属性調整を行っていることを公表することなく、原告らに本件大学の医学部医学科の一般入試及びセンター利用入試を受験させた被告の行為は、少なくとも本件大学の医学部医学科の一般入試及びセンター利用入試を受験した原告らが自らの意思によって受験校を選択する自由を侵害するものとして、原告らに対する不法行為に該当するものと認めるのが相当である」として、「属性調整を公表せずに受験させたこと」が受験生の「選択の自由」を侵害した、との認定にとどまりました。

しかしながら、属性調整は、受験生の学問的資質・能力とは全く関係のない「性別」という要素に基づき、女子受験生を差別的に取り扱うものであって、これが事前に公表されていたとしても、「公正かつ妥当な方法」(大学設置基準2条の2)と評価できるようなものではありません。

控訴審においては、属性調整そのものが、女子受験生を性別のゆえに差別的に取り扱うものであることを、正面から認めてもらいたいと考えています。 

女子受験生の皆さんが受験のために費やした時間や労力を取り戻すことはできませんが、東京医科大学が行なってきた属性調整は、それ自体が違法であって許されるものではないと裁判所が認定することで、差別によって傷けられた女子受験生の皆さんの心が僅かなりとも癒されることを願ってやみません。

判決は、2023(令和5)年5月30日に言い渡される予定です。

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