この国で生きていくために
今知っておきたい「死なないノウハウ」


命を守る最後のセーフティネットである「生活保護」。人の生死を左右する制度にもかかわらず、その詳細・実態を知っている人は意外と少ないのでは……? 

本書は、そんな問題意識を出発点とした「生活保護ってどんなもの?」を基礎の基礎から知るための入門書です。
「残金いくら以下になったら相談すればいいの?」「働いていても利用できるの?」といった制度の基礎知識はもちろん、一歩先を行く海外の制度や若い世代に向けた支援者による取り組みなどについても紹介しています。

「はじめに」で著者は言います。

――
長い人生、何が起こるかわからない。(中略)あなたは死ぬその瞬間まで「誰にも1円も世話にならずに」生を全うする自信があるだろうか。私には、まったくない。
――

……著者同様、この先の人生への不安が一度も過ったことがない人なんて、いないのではないでしょうか。

本書の取材にご協力いただいた生活保護や貧困の問題に取り組む方たちの言葉には、「誰もが人間らしく生きる」ことへの尊重と未来を諦めない心が詰まっていて、読みすすめるごとに少しずつ不安が軽くなっていくようです。みなさんが最後に語る14歳へのメッセージも必読です。
読み終える頃には、この国で生きていくことへの希望も、少しでも増えていたら嬉しく思います。

◆書誌データ
書名 :学校では教えてくれない生活保護
著者 :雨宮処凛
頁数 :232頁
刊行日:2023/1/24
出版社:河出書房新社
定価 :1562円(税込)

学校では教えてくれない生活保護 (14歳の世渡り術)

著者:雨宮 処凛

河出書房新社( 2023/01/21 )