
なぜ「ピンクは女の子、青は男の子」なのか?
「ピンクは女の子、青は男の子」という性別に基づく色分けは、トイレや更衣室、ファッションやおもちゃなど、私たちの日常の随所に見いだすことができます。しかし、この使い分けはそもそもどうして生まれたのでしょうか。また、本当に根拠がある色使いなのでしょうか。そして実際に、女性はピンクを好み、男性は青を好んでいるのでしょうか。
本書では、社会から文化にわたるさまざまな局面で自明視されている「ピンクは女の子、青は男の子」というステレオタイプな区分に疑問を投げかけます。そして、色による性別区分の実態に迫るため、日本を含む各国でおこなわれたピンクと青の印象に関する実験の数々を紹介します。
その結果として、この固定観念や好みは決して先天的なものではなく、後天的、つまり私たちを取り巻く社会的・文化的な影響のもとで生じるのだと結論づけます。そのうえで、色に関するジェンダーステレオタイプを乗り越えようとする近年の社会的実践にふれ、いたるところに潜在する慣習的な性差についても是正の必要性を訴えます。
私たちにとって色とは何か? 性差を、文化を、そして社会を方向づける強固なメカニズムの解体を試みる、社会心理学からのアプローチです。
書名 :ピンクと青とジェンダー
著者 :石井国雄/田戸岡好香
頁数 :176頁
刊行日:2025/05/27
出版社:青弓社
定価 :1980円(税込)
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