シネマラウンジ

views

7815

ぶった切り映画評 『エンドレス・ラブ』 みるとるみ

2010.12.14 Tue

<div class="old cf"><p><strong>歌は良かったのだけど… 恋もムードもブチ壊し?!<br /> </strong></p><p> 映画は、その内容と、テーマソングと、誰とどこで観たのか、という3つの要素が分かちがたく共鳴し合ったとき、忘れ難い感動的な人生体験となる。<br />  「エンドレス・ラブ」は、この「共鳴」が見事にばらんばらんな、悲惨なものだった。<br />  時効だから白状すると、まだボーイフレンドとも呼べない、お試し期間みたいな同級生の男の子(私の親友がチアガールとして所属する応援団の男の子で、角刈りと学ランがとっても似合っていた)と、初めて一緒に渋谷の道玄坂にある映画館に見に行ったのがこの映画だった。</p><p> ドキドキわくわく、二人で並んで座ったのだが… まだプリンストン大学にも入学していないピチピチのティーンエイジャー、ブルック・シールズ演ずるところのジェードがデイビッド(マイケル・ヒューイット)と恋に落ちる。そこまではよい。隣にいる彼をちらりと横目で見たりして。<br /> ところが、ベッドインの現場を父親に見られ、出入り禁止となったデイビッドがジェードの家に火をつける、というあたりから、「意外」というより「んなこと、ありか?」というわざとらしい展開になっていく。ティーンエイジャーの男の子が監獄にぶち込まれ、さらに精神病院まで送られて喚き叫ぶシーンになると、もう「あほくさい」としか言いようのない状況に陥る。ラブストーリーだと思ったのに、何これ?と言いたくなるのを我慢して黙っていたが、デイビッドを追うジェードの父親が事故死するあたりになると(もう記憶が定かではないが)、あからさまにため息をついていたにちがいない。</p><p>そのばかばかしいストーリーと裏腹に、ダイアナ・ロスの「Endless love」の素晴らしかったこと。そういえば、彼女のもう一つの名曲である「If we hold on together」が主題歌になった今井美樹と石田純一(まだ二人とも若かった…)の「想い出にかわるまで」こそ、歌とドラマの感動レベルが一致した胸キュンものだったっけ。<br /> この2曲、結婚式の披露宴でもよく使われるが、ドラマストーリーとの連関で言えば、決してお勧めとは言えない(かくいう私も「お色直し」のとき「If we hold on together」をかけて、その10年後にシングルになった)</p><p> 歌がよくて、ブルック・シールズが可愛かった、という以外何もない悲劇的な映画。明るくなった館内で、私たち二人は交わす言葉もなかった。そのあと、お茶をしたのかご飯を食べたのか、とんと憶えていない。少なくとも道玄坂の奥の方に足を踏み入れなかったことだけは確かである。<br />  元チアガールの親友と、先日久しぶりに会った。角刈りの彼はすっかり太って、今は損保会社のシンガポール支店で活躍しているそうだ。あのとき観た映画が「エンドレス・ラブ」じゃなかったら、今頃私はメイドつきのコロニアル調の邸宅で優雅に暮らしていたかもしれない。</p><p>アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.<br /> みるとるみ/家電メーカーからPEファンドに転身を図ったあと、モノやカネよりヒトが好きなことに気付いて独立、コンサル業へ。今や仕事はそこそこ、自称エッセイストとしてブログ書きながら、自由に機嫌よく生きることが人生のプライオリティー。http://miltlumi.exblog.jp/</p><p><input name="amazon_small_image" type="hidden" value="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41m5Cl4V2-L._SL75_.jpg" /><br /> <input name="amazon_medium_image" type="hidden" value="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41m5Cl4V2-L._SL160_.jpg" /><br /> <input name="amazon_large_image" type="hidden" value="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41m5Cl4V2-L.jpg" /><br /> <input name="amazon_title" type="hidden" value="エンドレス・ラブ 【ベスト・ライブラリー 1500円:ラブ・ストリー&青春映画特集】 [DVD]" /><br /> <input name="amazon_author" type="hidden" value="" /><br /> <input name="amazon_manufacturer" type="hidden" value="ジェネオン・ユニバーサル" /><br /> <input name="amazon_publidation_date" type="hidden" value="" /><br /> <input name="amazon_url" type="hidden" value="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%96-%E3%80%90%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-1500%E5%86%86%EF%BC%9A%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC-%E9%9D%92%E6%98%A5%E6%98%A0%E7%94%BB%E7%89%B9%E9%9B%86%E3%80%91-DVD/dp/B00438QB1M%3FSubscriptionId%3DAKIAIVGUGFNUCXEGTYGA%26tag%3Dpokemonnohiro-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB00438QB1M" /></p></div>






カテゴリー:新作映画評・エッセイ / DVD紹介

タグ:性表現 / 映画 / 恋愛 / DVD / みるとるみ / 女と映画