8月16日
12時。昼寝の目覚ましが鳴りまして。
シャギリ隊集合時間は12時30分。
その後の流れがわからないので、とにかくご飯(すでに3食目)。
朝担当の帰りしなにいただいた煮物とおにぎりが美味しい。
12時15分になったので
貸していただいた衣装に着替え、集合場所の公民館二階へ向かうと
リーダーの文ちゃん、よっちゃんを始め
さっきまで一緒に炊き事をしてた人々が、既に着替えて待機しておりました。
パワフルだ。
太鼓3人、三味線15、6人、全員女性のシャギリ隊。
何だか初めて参加する気がしないな。お囃子と同じ全女体制だからかな。
「はい!練習!ソーレ!」
太鼓のゆみちゃん、民ちゃんの音頭で、部屋の中で輪になって歩きながら弾く練習。
何度か繰り返しながら息を合わせていきます。
13時。「はい、じゃあ行くよー!」
公民館から外に出て「並んで並んでー」
なんとなく並ぶ順番があったようですが、よくわからなかったので人任せに並んで。
で、どっちにどう進むんだろ。
「こっち!こっち先頭!」
そっか、太鼓のゆみちゃんが先頭だ。どうやら港に向かって歩いて行くらしい。
「ソーレ!!!」
おお、始まった。
ドンツツツンツン テレテツツントン ドンチチチンチンチャン
「イーア!!!」
チンチリチンチン チリチレツンテン チリトチチンチンチャン
「イーア!!!」
チンチンツンテン ツンテツテンチン チリツチテンツントン♪
歩きながら弾くのって難しいなぁ…
かぶってる笠が曲がるなぁ…
衿にかけてる水色の襷がヒラヒラして飛んでっちゃいそうだなぁ…
照れ臭いから眼鏡外しといて正解だったなぁ…
でも回りがよく見えないなぁ…
前のあとみさんについてけばいいからいいや…
で、どこまで弾き歩き続けるのかな…
列が長いので、途中から前の方と後ろの方と調子が合わず
「早い早い!」
ゆみちゃんが幾度となく告げに来ますが、なかなか合いません。
「えりちゃん!」ギャラリーの中から声がかかりました。
4月のおしえり公演で知り合った、京都のとくさんでした。
親戚のおじさんがふいに現れた感じがして、なんだか照れ臭い。
(写真:京都のとくさん)
そうこうしているうちに
「はい!止まってー!」港をしばらく過ぎたあたりで休憩。
「はい!お茶!お茶!」冷たいびわ茶が振る舞われます。
小さな女の子もお手伝い。
「ありがとう」と受け取ると、うつむきがちに笑顔。可愛い。
しかし暑い。
止まると暑さが急に訪れます。
暑い。飲みたい。何を。もちろん、麦の命水を。
「はい!戻るよ!ソーレ!!!」
あ、戻るんだ。びわ茶を飲み干し再び構えます。
「ソーレ!!!」「イーア!!!」
またしばらくすると止まりました。
左には水面から直接昇れる階段があり。
なるほど、ここから神様を迎えるのか。
大分へ迎えに行った一行が神様をお連れして戻って来るのを待ちます。
しかし暑い。
止まると暑さが急に訪れます。
暑い。飲みたい。何を。
「お茶飲みたい人はそっちにあるから!」
小さな巫女さんらが待機しているおうちの土間に
びわ茶の入った大きな給水器が置いてあります。
「ない…ですかね…」
「お茶?あるよ」
「いや…お茶じゃなくて…ビール…」
「あー、ないねぇ」
「ですよね…」
しばらくすると
「ゆみちゃん!ビールビール!」ゆみちゃんにビールが支給されます。
あ、命水…
「違う、三味線の人が飲みたいって」
えええ!わ!わわわ!
そうなんです。
ここの島の人々は、このさりげない気遣いのオンパレードなのです。
「ありがとうございます!」遠慮なく有り難くいただきます!
「あ。ビールのんでる」
「ほんとだ。ビールのんでる」
「ほんとだ。いけないんだー」
「へへへ。だよねー」
真面目な巫女さんらに軽蔑されながらゴクリゴクリ。美味しい。
よーし!暑いけど頑張る!なんて現金なんでしょう。
(写真:纐纈さん)
さらにしばらくして、西方から船一行が戻って来ました。
「ソーレ!!!」「イーア!!!」
陸に上がって来られた皆さんを島の東に建てられた仮神殿まで先導します。
「ハイー!おわりー!お疲れ様でしたー!」
あ。終わりなんだ。
無事に皆さんをお届け出来てよかった。よかったよかった。
結構長い時間弾いてた気がするんだけど
終わってしまうとあっという間だ。
4年後も参加できるといいな。。。
と、感慨に浸る間もなく三々五々。
夜は当番に入ってないけど、何かをしなくてはならない気がして
さっさと宿へ戻り、神舞Tシャツに着替え
お借りした衣装を抱えて、再び公民館へと向かったのでした。
(つづく)
(恩田えりさんのブログより許可を得て転載)