2019年6月19日衆議院経済産業委員会での上関原発計画と埋立免許について、宮川伸議員(立民)の質問とその答弁です。
動画は下記の出典元から、ご了承いただき一部編集させていただいたもので、答弁の書き起こしは山秋真さんによるものを転載させていただきます。
http://urx3.nu/XyBX
(報告者:纐纈あや)
**上関の原発計画と埋立免許について(文字起こし)**
宮川議員「上関原発に関してお伺いします。これ、山口県の原発でありますが、大臣は繰り返し、新増設、リプレースはしないという答弁をされていましたが、いまも、これは、新増設、リプレースはしないということで、よろしいでしょうか」
世耕大臣「これは、現時点において原発の新増設、リプレースは想定しておりません」
宮川「この上関原発(山口県)、まだ何もない更地の状況でありますが、もし、建設してつくった場合は、これ、新設の原発になるんでしょうか」
資源エネルギー庁・村瀬佳史電力・ガス事業部長
「上関原子力発電所につきましては、まだ設置許可がおりていないため、仮につくる場合は、新設にあたる、と」
宮川「そうすると大臣、上関原発は、経産省、大臣としては、建設は想定していない、ということでよろしいですか」
世耕「現時点において原発の新増設、リプレースは想定していない。そのことに尽きると」
宮川「2枚目に、裏に新聞記事を載せました。中国電力が6月10日に、上関原発の建設のために埋め立て免許の期間延長の申請書を山口県に出した、とあります。その申請書のなかでは、海上ボーリング調査6ヶ月、そして埋め立て工期に3年、ということが書かれているということであります。大臣、いま、経産省としては『つくらない』と、『想定していない』というなかで、こういう工事が行われる、そして山口県が、これを『いいですよ』と言う、と。…まだ、これ、いいですよという結果は出ていませんが、言うだろうといわれています。こんなことが、あっていいんでしょうか」
世耕「あくまでもこれは、経産省のエネルギー政策全体のなかで、原発については現時点で新増設、リプレースは想定していない、ということであります。当然、各事業者とか自治体の判断でなされることはあるんだろうとは思いますが、少なくとも経産省としては、現時点での原発の新増設、リプレースは想定しておりません」
宮川「まったく理解できないんですが、新設・増設・リプレースはしないと、これ、安倍総理も言っていると思います。にもかかわらず、埋め立て工事していいんですか、大臣、もう一度お願いします」
世耕「ですから、現時点において原発の新増設、リプレースは想定していません。埋め立て工事の許可というのは、私の権限ではありません」
宮川「大臣の権限が、あります。山口県がこれを承認するという理由のひとつに、重要電源開発地点のひとつに、ここが指定されているから、国がこれ指定しているから、という理由で、山口県はこれの認可をおろそうと、延長を認めようとしているわけです。そして次のページ・・・法律が書かれている・・・『重要電源開発地点の指定に関する規定』というのを今日お配りしました。そのなかに、なぜ8年も経ってこれが解除されていないか、ということでありますが、『第7条 経産大臣は指定を行った重要電源開発地点が第4条第5項にかかげる要件のいずれか適合しなくなった時、この指定を解除することができるものとする』と。大臣が、解除できるわけです。では、どういう要件かというと、12項目ありますが全部やれないので「四」というところだけやります。『電源開発の計画の具体化が確実な電源であること』と書いてあるわけです。これ、開発が確実でなければ、大臣が解除できるんです。いま、新設はやらない、と言っている。なぜこれが、『計画の具体化が確実』なんですか、大臣」
世耕「上関原発については事業者が有する計画や地元状況に変化がなく、また、事業者から重要電源開発地点の解除の申し出がない、というなかでありますから、その指定を国がみずから解除する事情がないと考えています」
宮川「大臣、これ、規定、法律、これ本当に立憲主義なんですか。ここに私、法律を出しましたよ。出しまして、大臣が変えられる、と書いてある訳です、大臣の権限で。この要件として、『電源開発の計画の具体化が確実な電源であること』と書いてある訳です。なぜ、新設をしないと言っているのに・・・ご自身で言っている訳ですよ『新設しません』と・・・、『計画の具体化が確実』なんですか? なんで『計画の具体化が確実』なのか教えてください」
世耕「繰り返しになりますが、政府としては現時点において原発の新増設、リプレースは想定していません。そのうえで申し上げますと、上関原子力発電所については、事業者が、計画を遂行する意向でありまして、法令上の必要な手続きや一定の地元理解が進んでいるという状況でありますから、『計画の具体化が確実な電源』であると考えています。ただし、その原発を、新設を認めるかどうかは規制委員会が判断することですし、政府としては現時点において原発の新増設、リプレースは想定しておりません」
宮川「おそらく多くの国民は、その説明まったく理解が出来ないとおもいます。ちょっと切り口を変えます。電源立地交付金というのが出てると思いますが、原発がとまりました2011年から、上関町に、この電源立地交付金が毎年いくら出ているかお答えください」
村瀬電力・ガス事業部長「上関地点においては2011年度以降、毎年度約8000万円の電源立地地域対策交付金が交付されてきているところです。このほか原子力発電施設等立地地域特別交付金として、2011年度から2012年度にかけて、総額約22億円が交付された実績があるところです」
宮川「大臣が『新設しない』と言っているのに、なぜか国の方から自動的にお金が、30億円くらい、お金が流れているわけです。それも毎年毎年、8000万円とおっしゃっていましたが、1億円くらいのお金が毎年、出ていってるわけですね。なんで、原発つくらないといっているのに、お金が流れる。いいんですか、これ」
世耕「電源立地地域対策交付金についても、重要電源地域指定と同様に、事業者である中国電力が持っている計画や、地元自治体のおかれた状況に変化がないわけです。また、事業者から重要電源開発地点の指定の解除の申し出がないなかで、交付を終了する事情はないと考えています。そのなかで敢えて申し上げれば、震災直後の2011年度、あるいは民主党政権下で、革新的エネルギー環境戦略なるものが策定され、原発ゼロが打ち出された2012年度においても、上関地点に置ける原発交付金は継続していた。なぜそのとき止めなかったのか、というのは逆に私もお伺いしたいくらいですけども、ですので我々は、2013年度以降も、その扱いに変化がないという状況が続いている、ということだということは申し添えておきたい」
宮川「少し過去のことも聞きましたが、しかし気がついたときにシッカリやるというのが大事だと思います。今ちょうどこれから、埋め立ての認可を延長するかどうかの議論があるわけですから。もう一度お伺いします。なぜ、新設しないと言っているのに、お金がこのまま・・・。これ延長されたら、お金が出続けるわけです。いま、気がついている訳です。もう一度お伺いします。もしかして、本当は、新設するというような密約があるわけですか。あるいは、安倍総理の山口県だからお金が落ちるようになっているんですか。そうじゃなかったら、理由がなくないですか? 新設しないと言っているのに、なぜ重要電源開発地点が解除されなくて、毎年毎年お金が落ちるんですか。もっと国民に分かりやすくお答えいただけますか」
世耕「何度も同じお答えになりますが、原発については現時点において原発の新増設、リプレースというのは、政府としては想定していません。今ご指摘の交付金については、重要電源開発地点の指定と同様に、事業者である中国電力が持っている計画や、地元自治体のおかれた状況に変化がありません。また、事業者から重要電源開発地点の解除の申し出がないなかで、その交付を打ち切る理由はないと考えていますし、民主党政権下で原発ゼロが打ち出されたときも、この交付金は支払われ続けていたわけであります」
宮川「改めて、その説明、国民は理解しないと思います。怒ると思いますよ国民は。そして、気がついたときにシッカリ直していく。いま、気がついている訳ですから、直していくということを申し上げたい」
2019.06.24 Mon
カテゴリー:祝島沖・上関原発計画
タグ:脱原発
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