2018年11月21-23に、メキシコ大学院大学(El Colegio de Mexico)で、国際シンポジウ「メキシコと日本における女性の平等、解放、エンパワメントに向けて」が開催された。ここに掲載するのは、このシンポジウムを企画した田中道子と、日本から参加した井上輝子、上野千鶴子の3人による鼎談である。鼎談は、シンポジウム直後の2018年11月24日に、メキシコ市近郊にある田中道子の自宅で実施した。なお、編集部出口司眞子が、音源の文字起こしを担当した。
また、同シンポジウムのプログラムは、鼎談の後に、付してある。
鼎談者:井上輝子・上野千鶴子・田中道子 プロフィール
井上輝子
1942年東京生まれ。和光大学名誉教授。1970年代初頭のウーマンリブ運動に参加する中で女性学と出会い、1974年から和光大学で女性学講座を担当。2012年に定年退職後、和光大学GF(ジェンダーフォーラム)読書会〔詳細はWAN女性学講座を参照〕を、企画・運営してきた。主な著作は、『新・女性学への招待』(有斐閣2011)、『田中寿美子の足跡―20世紀を駆け抜けたフェミニスト』監修(アイ女性会議、2015)など。
上野千鶴子
1948年生まれ。平安女学院短期大学、京都精華大学、東京大学大学院等を経て現在東京大学名誉教授。女性学・ジェンダー研究のパイオニア世代。セクシュアリティやケアにも関心が。WANには設立から関わって、現在3代目理事長。ウェブジャーナルを作るのは当初からの夢でした。著書に『家父長制と資本制』『差異の政治学』『生き延びるための思想』(以上岩波書店)『ナショナリズムとジェンダー』(青土社)『<おんな>の思想』(集英社インターナショナル)『女ぎらい』(紀伊國屋書店)『女たちのサバイバル作戦』(文春新書)『ケアの社会学』(太田出版)など多数。
田中道子
エル・コレヒオ・デ・メヒコ大学院大学アジア・アフリカ研究センター教授研究員。モスクワルムンバ諸民族友好大学歴史文学部卒。エル・コレヒオ・デ・メヒコ大学院大学東洋学修士。「徳川幕府後期の政治と社会に於ける農村青年組織若者仲間」の論文でプリンストン大学歴史学博士。1973年から日本通史を担当。1997年から2003年までラテンアメリカアジア・アフリカ学会の書記長を務めた。メキシコ演劇学会の創設メンバー。著書には、「近代日本の形成に於ける百姓一揆の役割」、「民衆文化と国家、1868-1868」、「日本の政治と政治思想、1868-1925」、「日本の政治と政治思想、1926-2012」,「概説日本史」、「資料による日本近代教育史」および演出家佐野碩や日本の政治、社会、民衆文化に関する論文多数。現在、日本に於けるフェミニズムの行動と思想資料集プロジェクト推進中。
こちらからも 女性学ジャーナル メキシコ鼎談