キャリア
相談13 50代で今更正規雇用は無理でしょうか?
2013.09.09 Mon
50代の団体職員です。専門職の嘱託として過去20年近く働いてきました。その間、正規職員になれる機会もあったのですが、当時は子どもがまだ小さかったので「フルタイムは無理」と断わりました。しかし、子どもの手が離れた頃にこちらから正職員への転換を打診したところ、団体の経営状態を理由に難色を示されました。私よりも若い嘱託職員は既に何人も正職員になっているにも関わらず、です。
管理職からは、私を今正規職員に採用すると、これまでの前歴を加算する必要があり、給与が非常に高くなってしまうため、今の財政状態では私を正職員にはできないという説明を受けました。もし、私が現在30代前半であればまだ可能性はあったようですが、管理職とたいして年齢差もない私を正規採用してもどう処遇していいのか分からないというのも本音のところではあるようです。ただ、私としては他の仕事の経験もないし、今更新しい環境で苦労するのも気が進まないというのが正直なところです。私の考えは甘いのでしょうか?
回答
回答13:福沢恵子さん
回答者:福沢恵子
あなたが望んでいるものは「身分」ですか?それとも「仕事」ですか?
詳しい状況が分からないので、いただいた情報の範囲でお答えすることをお許しください。
まず、組織を運営する立場からすると、あなたのような年代の方を正規雇用するというのは率直なところかなり難しいと思います。というのも、これから正規職員になったとしても、管理職からすると「使いにくい存在」になる可能性が高いからです。新たに正規採用するのであれば、人件費的にも仕事の頼みやすさからいっても若い人を採用したいと考えるのが当然でしょう。もし、50代の人を正規雇用するとしたら、「欠員状態の管理職を外部から採用する」という場合がほとんどです。
あなたの場合、これまで専門職としてある分野に特化したお仕事をされてきたのでしたら、おそらくは今後も同様の仕事内容を希望されているのではないかと思います。ただ、その場合は「外部の専門家」 として関わる方が組織からは歓迎されるということを理解しておくことは必要だと思います。
あなたは「安定した身分で働きたい」という思いがあるのかもしれませんが、「雇用」と言う形を取る場合、雇用者側は「えり好みしないでなんでもやってくれる人」を期待するものです。「ある分野の専門家としてプライドを持って納得のいく仕事をしたい」とお考えなら、そして既に年齢的にも40代後半以降なら「雇用されること」に目を向けるよりも、「市場で通用する人」を目指した方が現実的ではないかと思います。「市場で通用する人」とは、別の言葉で言えば「その専門性が必要とされている人」のことです。このような働き方は安定性には欠けるかもしれませんが、専門性にこだわった働き方が可能になりますし、時間的にも融通がききやすいということも多いのです。あなたが求めているものが「身分」なのか「仕事の内容」なのかをもう一度考えてみてはいかがでしょうか?
回答者プロフィール
福沢恵子
現在は担当しておられません。