東京医大と順大訴訟は判決を待つのみとなりました



1 順天堂訴訟,東京医大訴訟の審理終結,判決言渡期日
 医学部不正入試訴訟のうち,順天堂大学に対する訴訟の審理が,2022年2月3日の口頭弁論期日をもって終結しました。判決言渡は同年5月19日と指定されました。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言によって進行が停止していた時期がありましたが,2019年6月20日の提訴から約3年を経て裁判所の判断が示されることになります。
 また,東京医科大学に対する訴訟の審理も,2022年3月25日の口頭弁論期日をもって終結しました。判決言渡は同年9月19日と指定されました。同訴訟も2019年3月22日の提訴から裁判所の判断が示されるまで,約3年半かかることになります。

2 判決の注目点
 性別によって合否判定基準や得点の操作が行われていたという不正入試事件は,発覚当時,社会に衝撃を与えました。その後,報道では,2021年度医学部入試では全国平均の合格率が男女逆転し,2019年度以降不正入試の是正が進んだためとの分析がなされています。今回の原告の方々の外にも,過去に,不正入試について何も知らずに受験し,その上不当に不合格にまでなり人生を変えられた女性がどのくらい存在したのだろうと,改めて驚き,悔しい,悲しい気持ちになります。
 今回の訴訟の原告になったのは,こうした方々のごく一部です。原告となった方の中にも医療界や社会からさらに差別されることを恐れている方もいます。それでも,原告の方々は,このような差別がなくなるようにとの強い思いで尋問や陳述書提出等をしてくれました。大変勇気のいることだったと思います。
 教育の場で行われた大規模な性差別事件について,今回の原告の方々だけでなく,性差別を行う側,性差別を受ける側,将来この事件を知ることになる若者や子どもたち等,社会の全ての人々に対して,裁判所はどのような判断,評価を示すのか,判決の内容が注目されます。判決が,こうした差別をなくし,被害を訴えることを諦めないで済む社会になるきっかけとなることを期待したいと思います。

3 弁護団の活動状況
 聖マリアンナ医科大学に対する訴訟は東京地方裁判所において継続しており,次回期日は、2022年4月22日であり、裁判所において進行に関する打ち合わせをすることになっています(WEB実施。非公開)。同訴訟については,今後しばらくは主張,立証活動が続く予定です。
 前述のとおり,順天堂大学訴訟,東京医科大学訴訟は以下の判決期日を待つばかりとなりました。判決言渡後には,判決内容の説明等のため記者会見を実施する予定です(記者会見実施の詳細は後日公表予定)。
 順天堂大学訴訟の判決言渡期日 2022年5月19日午前11時東京地方裁判所421号法廷
 東京医科大学訴訟の判決言渡期日 2022年9月19日午後1時10分 東京地方裁判所610号法廷
 これらの訴訟に関心をもち,応援,ご支援をいただいた皆様に御礼を申し上げます。判決内容にもご注目ください。また,聖マリアンナ医科大学に対する訴訟は続いておりますので,引き続き,当弁護団の活動に対する応援,ご支援をよろしくお願いいたします。

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