上野先生!! 今回も大いに学ばせていただきました。
二名の受講レポート公開いたします! 

アドバンスコースの第2回が終わった。今回は、研究計画書の発表のリベンジ回。バージョン2あるいは、応募時に出しているものからさらにバージョンアップされている方が多いので、バージョン3もあり、先月の先生のコメント、他の受講生からのコメントを取り入れ、計画書が固まっていっている。開始早々の先生からの、「リベンジ組、全員バージョンアップしてます」と聞いて、自分のことでなくとも、その一言で、みなの緊張が一瞬溶けた気がした。
 先月の第1回では26人全員が発表で、前回は発表4分、コメント3分だったので、もっともっとコメントが欲しい、皆がそう思ったと思う。今回の発表は12人。発表4分に先生のコメント8分。先生のコメントをいただく時間が倍以上で、ゆっくりしっかり先生とやり取りがなされていた。持ち時間4分。前回指摘された箇所のみに絞って、また変更点を中心に、と時間の使い方も様々で、こういうことも勉強になる。前回の4時間弱を経験していたので、2時間半ほどで終了したのは、なんだか物足りないような、もっとずっと受けていたいような気もした。
 先生から発せられた、「対象サンプルを戦略的に入れる」、「すでに論証されているものが同様に当てはまるのか」、「当事者研究での注意点はクリティカルな視点を持つこと」、「パーティシペントオブザベーションできるの?」、「対象に対するアクセシビリティは研究にとても大事」、「判断のクライテリア」、「指標を分解して測定可能なものにする、思い込み論文にならないように指標の適格性を」、「ガイノクリティシズム」、「スモールスケールで1ラウンドやると数を増やしても同じことだと自信と実績ができる」、「風呂敷はいつたたんでもいい」、「先行研究のモデルとの突合せで何らかの異同が出てきたら解釈の仮説が出てくる」、「帰納的に得られたモデルを演繹的に使うのはリスクがある」、「アイデンティティはあいまいな概念」、「現場を持ってる強み」、「自分にとって切実な問いを立てるのがやりがいがある」「セルフリフレクシブに」、「数を増やしても発見が増えるとは限らない」、「自分が何を獲得したいか、から逆算して、戦略的なサンプリングをして、しかも省エネ、コスパよくやる」、、、また、タイトルのつけかた、副題のつけ方、用語の使い方、参考になりそうな書籍の紹介、時代区分の決め方など、一人一人へのきめ細かい指導で時間はあっという間に過ぎていった。
 こんな貴重な機会を自ら逃してしまった。ずっとずっと受けたいと思っていた上野先生の講義。夢のような時間が現実になっているのに、ついていけないのだ。実のところ、「プレゼン」はウン十年生きてきて、先月初めて経験した。「修士はとって」、「博論を」、「大学院では」、という言葉が次々に出てきていた前回、まったくの素人はすでにおぼれた。初耳の学術用語、概念もつかめずにいる言葉にあふれる研究計画書や発表、コメントに、おぼれ続けている。1年たった頃には、ふんふん、それね、と頷く日がくるのだろうか。いや、頷くようになるのだと言い聞かせて、ひとつひとつ調べる。
 実は、WANのフェミニズム入門塾2期生として参加していた中、アドバンスコース2期の開講条件は、入門塾の3期とセット!というお達しがあり、3期の運営だけのつもりが、その運営メンバーからも数名アドバンスコースへ応募するという話を聞き、やるだけやってみるか、と応募してしまったのだ。2期の運営メンバーや2期のメンバーと一緒なら、と。本音では、アドバンスコース受講するにしても3期以降でと思っていたが、そんなの開講される保証はないと思い直し。アドバンスコース2期のゼミ生の方々のコメントに救われながら、先生に軌道修正してもらいながら、自分なりにすすんでいきたい。
 先生からは、今回の12人の発表を終えて最後に、「このぐらいの数がちょうどいい。ほんというとこのクラスが半減すればちょうどいい」なんて言われてしまったが、最後までくらいついていくぞ、と気持ちを新たにした瞬間だった。WANと先生とゼミ仲間に感謝して、1年後このゼミを終えられるように一歩一歩上がっていきたい。


 第2回は、第1回の研究計画書から改訂をして名乗りを上げた12人が発表されました。ひとりあたり、発表4分で上野先生のコメントが8分で、第1回目と比較するとゆとりがあり、より充実した時間になったと皆さんが感じたと思います。
 私は、事前にレポートの依頼をいただき、レスポンスカード(通称:レスカ)を記入する準備のためにも、当日はパソコン2台で気合を入れて臨みました。最初から最後まで「聴き取りマシーン」のようになって、「聞き逃すまい」と必死に発表者と上野先生のやりとりを手入力で打ち込んでいきました。そのページ数は10頁になりました。発表は皆さんの改訂の努力のあとが伝わってきて、テーマと内容が焦点化されたことだけではなく、プレゼンの仕方、話し方、まとめ方なども非常に参考になります。「聴き取りマシーン」になり、丁寧にメモをすることで、前回よりも自分自身、言葉が少しずつ理解できるようになってきました。私は、フェミニズムの研究は初めてで、近接他領域が実践や研究の場です。入門塾を受けておらず、フェミニズムについて強く意識することは多々ありますが深く勉強をしたことがありません。加えて、初学者で研究の「言葉」もまだまだ理解不足です。今回、レポート者の機会をいただけたことは大変ラッキーですし、「レスカ」でコメントをすることは自分自身のためにもなります。改めて自ら学ぶ姿勢が大切であることを認識しました。
 上野先生のご指導内容のすべてをここに記したいですが、全部あげたらそれだけで終わってしまいそうです。今回の上野先生のコメントの中で、私が印象にのこった点は「比較をする」、「変容過程を追う」ということです。いずれも、研究の手法として基本的でありとても大切なことと改めて認識しました。
 比較をすれば、論じたいことがおのずと明確になります。そして何と比較をするのかが重要になり、比較対象を選ぶのもとても重要な作業になります。物事を明らかにするには、確かに単体で論じても浮かび上がらせることは出来ません。比較対象があって初めて、論証できることがあります。上野先生は、いくつもの発表でそのご発言をされておりました。その都度、何と比較をすればよいのかのヒントや考え方を示されていました。
 もうひとつ、「変容過程を追う」も重要なことだと考えました。いつ・どのように・なぜ・どうやって変容していったのか、それを丁寧に比較していくことで、変容過程から明確になることがあります。または変わらなかったこともあるでしょう。変わらなかったら変わらない理由をまた追いかけることもできます。「変容過程」を追って、それらを比較することで、論じたいことが明確になると考えました。  そんなことをぐるぐると考えていたら「研究って面白い!」と改めて思いました。発表者のみなさんの研究テーマから学ぶこと、そして研究方法から学ぶこと、この豊かな時間をいただけたことに深く感銘を受けています。初回と第1回目は、場の雰囲気や聞きなれない言葉に慣れるので精いっぱいでした。しかし、少しずつ皆さんのお考えや課題意識を理解できるようになってきました。
 上野先生の語り口調は、とっても柔らかいのですが、その内容は研ぎ澄まされており、その「ギャップ萌え」に浸りながら、自分なりの研究をこれからも進めていきたいです。第2回の最後に、「進んで勉強したほうが自分のためになるわよ」とさらりとおっしゃっていたことが、第2回における私の中の「上野先生語録」のとどめの一言でした。
最後に、ここに集っている皆さんは、それぞれに熱心で深いお考えをお持ちで、皆さんのお話を聴いているだけで、刺激をいただき勉強になります。お仲間に加えていただき、感謝しています。皆さんの研究がグループの相互関係で進み、明らかにしたいことが明らかになっていく過程を楽しめたらと思います。そして、この場を運営してくださっている「いきもの係」(この名称も新鮮!)の皆さんも本当にお疲れ様です。これからもよろしくお願いいたします。最後はお手紙みたいなレポートになってしまいました。

来月の第3回もお楽しみに~♪