2012.01.27 Fri
1月の市民交流事業は、つながれっとシアター「外泊」でした。
今回は、1月13日金曜の夜と14日土曜の午後というように、試験的に2日間開催し、都合のよい日程で参加していただけるようにしました。金曜の夜には、仕事帰りの方に多く参加していただけました。
さて、『外泊(ウェバク)』は、韓国で510日続いた女性労働者たちの闘いを描いたドキュメンタリー映画です。「非正規雇用保護法」施行前に大量解雇を行ったイーランド社に対して、怒り立ちあがった女性たちは、2007年6月30日の夜、仕事場であるホームエバー・スーパーマーケットのレジを占領します。それが彼女たちにとって、「はじめての外泊」でした。お弁当を分け合い、歌い、踊り、スピーチし、ストライキをする彼女たちは楽しそうです。一方で、妻や母としての役割を果たせない葛藤や苦悩も抱えます。彼女たちの言葉一つ一つが、自分の生活と重なり、女性が置かれている立場に家制度や性別役割分業の根強さを感じました。
闘争は、やがて政治的な大きな動きに巻き込まれ翻弄され、最終的にはホームエバー社が他社に買収されることで結末を迎えます。『外泊(ウェバク)』の女性たちは、それぞれの家に帰って行きました。彼女たちを「外泊」させたものは何か、映画を観終わった後もじっくり考えたいテーマです。
ところで、素晴らしい映画を観終わった後、しばし放心状態で言葉を失うことがあります。今回の「外泊(ウェバク)」も、エンドロールが終わった会場は、終わりの挨拶をすることもためらわれるほどに感動の静寂を感じました。「外泊」は、韓国で起きた労働闘争を描いていますが、日本の女性労働の問題にも非常に多くの問題を投げかけてくれます。機会があれば、ぜひ皆さんのところでも上映会をお勧めします!
(事業運営局 伊藤静香)
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