キャリア
相談6「出産を機に仕事を辞めましたが喪失感でいっぱいです」
2012.05.28 Mon
32歳、1児の母です。出産までは大手企業でマーケティング関連の仕事をしていました。仕事は面白く、やりがいもあったのですが、残業や突然の出張などのハードな働き方と子育てを両立することができず、結局育休から職場復帰して半年余りで退職することになりました。
退職直後はそれまでの「職場に戻ったものの、戦力になり得ていない私」に対する罪悪感から解放されてホッとしたのですが、1ヶ月ほど経つと今度は「育児以外になにも生み出していない私」の存在が許せなくなってしまい、退職したことを猛烈に後悔するようになりました。
夫は育休直後からハードな働き方をしたいと思いながら、物理的に困難で悶々としている私を見ていましたので「もし、また同じような仕事に就いたら同じ事の繰り返しだ」と云います。私も冷静に考えれば、2歳児を抱えている今の私がフルタイムでハードな仕事をすることはあまり現実的ではないことは理解できるのですが、たとえば子どもが小学生になるまで待っていたら5年ものブランクになってしまうことが恐ろしくてたまりません。
周囲のママ友たちには元バリキャリ総合職の人もいるのですが、一様に「あの生活には二度と戻りたくない。今が天国」という人が多く、私のこの焦燥感はとても理解してもらえません。ただ、子育てはいい加減にしたくはないのです。私は自分の気持ちとキャリアをどうしたらいいのでしょうか?
回答
No.6 回答
ハードな仕事をこなし、成果も挙げてきた女性が、出産を機に働き方の見直しを迫られるケースはとても多いのです。その場合、本人や周囲が「当面はそれでいい」という感覚でいればそれほど悩む必要はないのですが、問題なのは「育休から復帰したのだから、即パワー全開で元通りのペースで働いてほしい」という職場環境や、本人が「以前のペースで働きたい。そうでなければ気持ちが悪い」と感じてしまう場合です。(そして、実はこういう状況は決して珍しくはないのです)
あなたの場合、職場環境はあなたに元のペースでの仕事を期待したけれど、あなたはそれに応えられず、それをずっと申し訳なく思った結果退職に追い込まれたというわけですね。あなたはきっと責任感が強く、能力も高い方なのだと思います。今の自分が置かれている状況を考えると、下手に要求水準の高い仕事に手を出すわけにはいかず、しかし、何もしないで時間が過ぎていくことは耐えられない・・・まさに経験も能力もある女性が直面する問題ですね。
私は、育児期に必ずしも全員がペースダウンする必要はないと思っています。本当にキャリアを追究したいのであれば、割り切って子育ては極力アウトソースしてしまうという選択だってあり得ます。でも、あなたの場合「子育てはいい加減にしたくない」とおっしゃる。おそらく、持ち前の責任感からそう感じてしまうのでしょう。でも「キャリアの空白期間ができることには耐えられない」とい気持ちもあるわけですね。
そんな場合、「社会とゆるやかにつながる」という方法を考えてみてはいかがでしょう?私の在籍する昭和女子大学は来春「グローバルビジネス学部」という新設学部を設置するのですが、この学部と連動して「現代ビジネス研究所」が開設されます。ここでは、ビジネス経験をお持ちの社会人が研究員となり、これまでの経験や知識を活かして研究活動や学生指導を行います。時間的には相当融通の効くスタイルなので、あなたのような子育て中の方にも無理なく参加して頂けるのではないかと思います。
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回答者プロフィール
福沢恵子
現在は担当しておられません。