WANと私を結び付けたもの。
それは、昨年5月に開催された、
WANシンポジウム2017 “自分ゴト”から始まる社会づくり 半径3メートルをこえて―
その前の年の秋、WANシンポジウム2017実行委員の工藤遥さんから誘われた読書会がきっかけだった。
課題図書は、法政大学総長田中優子氏、法政大学社会学部「社会を変えるための実践論」講座 (著)ということで、
法政大学人気の講義「社会を変えるための実践論」
そろそろ「社会運動」の話をしよう――他人ゴトから自分ゴトへ。社会を変えるための実践論
その頃の私のネウボラの活動は闇雲にやってみているというところであった。
医療や教育、社会福祉の知識があったわけでもなく、市民活動の経験があったわけでもなかったし、学生時代のサークル活動、町内会での地域活動とも全くの無縁であった。
ただの主婦がなんとなしに始めた活動であるからだ。
工藤さんとは、札幌市の男女共同参画センターで開催された「保育園落ちた」を考えるイベントで出会ったと記憶している。
大学院生である工藤さんは子育て支援の研究をしているということで、妊娠期からの切れ目ない支援ネウボラについても意気投合していろんな話をした。
そんな彼女に活動の参考にになると思うと、誘われなんとなしに読書会に参加したきっかけだった。
「社会運動」という言葉を意識したことはなかったので、正直に言うとその本にも当初そんなに興味がなかった。
【活動の参考になる】
これが参加の一番の動機だったかもしれない。
この本の意味も初めはよくわからなかったのであるが、活動を始めるずっと以前から、ネットで好んで記事を読んでいた「湯浅誠」氏の名前が入っていたので、
多少の興味から読書会に参加してみようとも思ったのだった。
ネットで読んでいた記事は断片的であった。
湯浅氏がどんな人間で何をやってるかとかはわからないでいたそのころは、ただただ貧困問題についてや社会問題についての記事をななめに読んでいた。
読書会に参加するために本を読んで初めて理解した。
湯浅氏はなるほど、「社会活動家」であったのだ。
私のそのころの社会活動についての知識といえばそんなものでしかなかった。
ところで、参加するメンバーは毎回同じとはならず、世代、性別、年代は面白いように常にバラバラであった。
一番驚いたのは、札幌出身のピアニストの石本裕子さんがハンガリーから毎回スカイプで会に一緒に参加するのだ!
≫石本さんの連載エッセイ『陽の当たらなかった女性たち』→https://wan.or.jp/general/category/womencomposers
そのころはまだネット会議にも免疫がなかった、ただの主婦であった私には大変な刺激!!
ハンガリーとの時差の確認から始まる読書会であった。
石本さんの人柄と面白い話にもひかれていき、スカイプでの読書会も大変楽しくなっていった。
それに、多様な世代、多様な背景のメンバーによる豊富な知識と情報。
そんなわけで、普通のただの主婦であった私にとって、大変奇想天外だった読書会。
現在、当会の事務局長を務めてもらっているペンネームもりちゃんも当時北海道大学の先生でありながら読書会に参加していた。
大学はリタイアされ、WANシンポジウムでの実行委員を一緒に担ったあとに、私の開催した北海道ネウボラシンポジウムに参加してくれたことを経て、現在は当会の事務局長に就任いただいている。
もりちゃんの実践するコーポラティブハウスは、現在放映中のフジテレビの木曜劇場『隣の家族は青く見える』で深キョンとマツケンが居住しており、話題となっているので、ぜひ劇中で着目いただければと思う。
と、いった具合に、WANのつなぐ縁の大きさは計り知れないパワーがある。
この読書会からWANシンポジウムでのWANとの出会いへとつながっていった。
読書会の回を重ねて、ふと気がつくと自分もWANシンポジウム2017の実行委員となっていた。
さすがのWANの巻き込み力である。
実行委員となったものの、WANについてはこの時の感覚ではまだ不確かなものであったが、実際のシンポジウム当日にWANを体で感じることになる。
今回は長くなってしまったので、WANシンポジウムについては次の機会に。
・・・
そして、もう一つ。
この読書会が大変大きな気づきを与えてくれた。
それは・・・
「社会運動」
私がやっているこの市民活動というのは「社会活動」だった。
活動を通して「社会運動」をしていたんだと。
ここで回を重ねるうち、初めて気がついた。
そして、読書会の課題図書に登場する、湯浅氏がただの社会活動家ではなくて、偉大な社会活動家であるという事も理解が進んでいった。
-そろそろ「社会運動」の話をしよう-読み進むにつれて、自分の活動という眼鏡を通して認識が広がっていく。
「好んで読んでいた記事のライターさん」から一転、湯浅氏は私の尊敬の対象となっていた。
※余談であるが、湯浅氏が来月3月に来札されてのシンポジウムがある。札幌に湯浅氏が。またとない機会!今からとてもとてもとても楽しみにしている。
せっかくなので、開催の要項を下記にご紹介。北海道の皆様に情報が届きますように!