
秋田県知事選挙(2025年3月20日告示、4月6日投開票)に向け、「ヒューマンライツ秋田」は「ジェンダー平等と多様性」をテーマにした公開質問を立候補予定者に行いました。
質問と回答はこちらです。
https://note.com/little_media/n/n02a71f0ea46c?sub_rt=share_b
【山形の動きに背中を押される】
きっかけになったのは、こちらのWANのサイトに掲載されていた一本の記事でした。山形の有志が「ジェンダー平等政策」に絞った公開質問を山形県知事選の立候補者に行ったことを紹介した記事が、SNSで流れてきたのです。

山形県の有志が知事選で行った「ジェンダー平等政策」についての公開質問を紹介する認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)のサイト
チーム山形の取り組みを知り、「私たちも公開質問をやってみよう」ということになりました。
「私たち」というのは、性や人権についてよく話し合う友人同士です。秋田で暮らしながら日々疑問や不安に思うことをつぶやいては「自分たちに何ができるだろう?」と語り合ってきました。選挙の争点になりにくい「人権やジェンダー平等」。しかも秋田県知事選の立候補予定者は全員男性で、どこか遠く感じていましたが、山形の取り組みに背中を押されて、公開質問に向けて一歩、踏み出しました。
その後、新たな仲間も加わり、質問の方向性やどんなテーマについて尋ねるか、みんなで数時間話し合いました。後日、質問のたたき台を作り、それぞれに文面を読んで意見を出し合いました。数回の修正を経て2月26日に質問状が完成。翌27日、立候補予定者の事務所をネットで検索して調べ、サイトにあったメールアドレス宛に送信しました。
見ず知らずの私たちの質問に答えてくれるだろうかと不安でしたが、幸い回答が寄せられ、ほっとしました。
思いと勢いで始めた公開質問でしたので、悩む場面もありました。全員分の回答がそろわなかった場合、寄せられた回答だけを公開していいのか。公平性の観点から問題がないのか――。告示日には事前に把握できていた2氏のほか、もう1氏が立候補を届け出ました。公開質問の道のりは思った以上にスムーズでもあり、難しくもありました。
こちら、メンバーの一人が書いた記事も、ぜひご覧ください。詳しく書かれています!
https://s-newscommons.com/article/7659
【秋田県知事選立候補予定者への公開質問の内容】
〈ヒューマンライツ秋田〉による公開質問は以下の6項目となります。
1 秋田県の女性の県外転出について、お尋ねします
秋田県は20~39歳の社会減、中でも男性より女性の社会減が多いことを課題ととらえてさまざまな施策を展開しています。これについて2点、お尋ねいたします。
・20~39歳の女性の社会減が多い原因は、何であるとお考えですか。
・現在の県政では、社会減の施策として「若年女性」を対象とするものが目立っております。様々な要因が想定される人口減少の問題について、女性の中でも「若年女性」を重点的な対象とすることについて、どのように捉えていますか。
2 秋田県でのジェンダー格差について、お尋ねします
秋田県では、県庁内の管理職や県議会議員、民間企業の管理職に占める女性の割合がいずれも3割に届いていません。これについて3点、お尋ねいたします。
・このような秋田県内のジェンダー格差の原因は何にあるとお考えですか。
・県庁内、県議会、民間企業でのジェンダー格差を解消するための施策としては具体的にどのようなものをお考えですか。
・知事や政治家のワークライフバランスについてお聞かせください。知事は緊急時に即応せねばならず、子育てや介護、ご自身の治療や自分の時間を確保することに難しさのある職務と思われがちです。知事や政治家のワークライフバランスについてどのようにお考えでしょうか。また、具体的な実施案をお持ちでしたらお聞かせください。
3 人権・ジェンダー平等の教育について、お尋ねします
さまざまな性暴力事案、ジェンダー格差を背景にした女性への人権侵害が近年、社会問題となっています。これについて2点、お尋ねいたします。
・性暴力やジェンダー格差を背景にした人権侵害をなくしていくため、秋田県内の公立学校(小学校から高校まで)で具体的にどのような教育施策(授業内容も含む)をとっていく方針ですか。
・県内の公立学校には、男女それぞれの髪形や服装について細かく規定している校則が定められているところがあります。また、男女別の制服という学校が一般的です。こういった校則や児童、生徒への指導のあり方についてどう思われますか。
4 貧困など困難を抱える女性への支援について、お尋ねします。
2022年、DVや性被害、生活困窮などの困難がある女性を支援するための「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(困難女性支援法)が施行されました。これについて2点、お尋ねいたします。
・困難女性支援法の趣旨である女性たちが直面する困難の背景について、ご自身の認識をお聞かせください。また、その背景には秋田県特有のものもあるとお考えでしょうか。その場合、どのようなものでしょうか。
・困難に直面した女性に対して、具体的にどのような施策の実施を考えていらっしゃいますか。
5 ジェンダーアイデンティティ(性自認)について、お考えをお尋ねします。
「秋田県多様性に満ちた社会づくり条例」には、性自認などを理由として「差別すること、その他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」ことが明記されています。しかしながら、アメリカでは大統領令によって多様性施策の撤回、トランスジェンダーへの迫害が広がり、秋田県内でも当事者の不安が深まっています。これについて2点、お尋ねいたします。
・「性自認」「SOGIE」(性的指向・性自認・性表現)について、どのような認識(お考え)をお持ちでしょうか。ご自身の認識をお聞かせください。
・SOGIEを理由にしたハラスメントや人権侵害をなくしていくため、具体的にどのような施策の実施を考えていらっしゃいますか。
6 ハラスメントについてお尋ねします。
秋田県には首長等や議員によるハラスメントについて規定する条例がありません。この状況について何かお考えはありますか。ある場合、それはどのようなものでしょう。
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***WANサイトからお知らせ***
候補者へのジェンダー政策アンケートのやり方講座が、「ジェンダーを考えるひろしま県民有志」や寺町みどりさんなどの協力で2025年参院選前に、連続三回で開かれます。
1回の参加でもノウハウはわかるようになっています。3回の講座では、各回それぞれのテーマを深掘り!不安を共有し、仲間を見つけ、疑問や質問に答えてくれる心強い経験者たちと語り合えます!!
ぜひご参加ください。
申し込みはhttps://wan.or.jp/article/show/11741