こころ
相談68:DVで別居しましたが、戻ったほうがいいのかなと考えてしまいます。
2018.04.01 Sun
昨年、夫からのDVで別居して、今、弁護士を立てて離婚調停中です。夫は、私が勝手に出て行ったのだと、別居中の生活費なども認めようとしません。私名義の通帳なども差し押さえられ、生活保護寸前になっています。
もともと夫と共同でデザイン会社を経営していましたが、私が家を出た後、夫は私の代わりに人を雇って仕事をしており、夫の生活は変わっておりません。私は家を出たことで仕事を失い、今はかろうじて差し押え前に引き出した蓄えで何とかやっています。体調もすぐれず、仕事をする気力が出てこないのです。
なんでこんなことになったのか、私が我慢して居ればよかったのかなどとつい考えてしまい、戻ったほうがいいのかなとも考えてしまいます。誰にも相談できず、あちこちの相談電話に電話して話を聴いてもらったりしています。最終的に、自分が立ち直らないといけないとは思いますが、いつになったら前向きな気持ちになれるのか、日々をとても不自由に過ごす中で、どのようにすればよいか、アドバイスがあればお聞きしたいです。(マリ、40代、福岡県)
回答
回答68:河野貴代美さん(フェミニストカウンセラー)
マリさま
考えがぐるぐる回ったり、行きづまったりしたときは、最初(原点)に戻るといいと思います。
あなたの原点は、DV夫ともう一緒に暮らしてゆけないという意思でしたよね?それで家を出られた。それが間違っていたのではないか、といろいろ疑問がでているのはどうしてですか。夫に何の反省点もない、それどころか夫は他人を入れてうまくやっている、ご自分の方は離婚の調停中で、生活上いろいろ大変・・・などでしょうか。
これらの大変な状況を考えると、原点が揺らぐのは、よくわかります。でも、ここからはしっかりと考えてみる必要がありますね。その上で、お考えのヒントになるポイントをあえて申し上げます。
その一つ。もしあなたが戻るとして、彼はあなたを心良く受け入れてくれるでしょうか。勝手に出ていって勝手に戻ってきたと彼が思うなら、さらにあなたへの対応が悪くならない?可能性としてあると思いますね。
もう一つ重要なことは、DV行為は彼自身やあなたが思っているほど、簡単にはおさまりません。何度か謝られて後に行為が再発したというご経験はないですか?お辛いのはわかりますが、調停の経過をもう少し見つつ、帰るという即断を下されないことを願っています。
回答者プロフィール
河野貴代美
アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。
タグ:DV・性暴力・ハラスメント / 河野貴代美 / フェミニストカウンセリング
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