キャリア
相談22:24歳の娘が仕事を辞めたいと言っているのですが・・・
2017.04.01 Sat
大学卒業後、正社員として就職し2年目になるひとり娘のことでお伺いします。機械メーカーの事務職として採用され、社員12人の支社に配属されました。1年目はつらい、身体がしんどいと言いながらも何とか働き続けていたのですが、昨年の夏頃から「先輩が辛く当たる」と言い始めました。事務職の女性は本人をいれて3人で、8歳年長の先輩とうまくいかないようです。娘は他人に甘えるのが苦手で、生真面目なタイプです。先輩にしてみれば可愛げのない新人だったのかもしれません。挨拶しても返事をしてくれない、小さなミスを責め立てられる、業務を終了して定時退社しようとすると嫌味を言われるなど毎日愚痴をこぼします。最近彼女の笑い声を聞いていません。社会に出ればよくあること、ちょっと我慢してみればと慰めていたのですが、先日とうとう「死にたい」と言い出しました。「何をいうの!」とまずはなだめてみたのですが、この先、どのように対応したらよいのかわからなくなってしまいました。どうぞアドバイスをお願いいたします。
静岡 51歳女性
回答
回答22:重原 惇子さん(キャリアカウンセラー)
お嬢さんの心と身体が一番大事です
お嬢さんが死にたいというほど苦しんでいらっしゃるご様子、ご心配ですね。
おっしゃるように、社会人なら多かれ少なかれ皆が経験することであり、せっかく手に入れた正社員の地位を手放すのはもったいないというご意見もあるでしょう。でも私は、心と身体を守ることが最優先だと思います。睡眠はちゃんと取れていますか?食欲はありますか?「辞めてもいいんじゃない?」とお伝えになることで、ご本人の気持ちが少し楽になるかもしれませんね。
ある程度落ち着かれたならタイミングを見計らって、仕事のこと、会社のこと、先輩のことなどをゆっくりお聞きになってはどうでしょう。ご本人の状態によっては、求職という選択もありますし、「やっぱり続けたいから、上司に相談しようかな」とおっしゃるかもしれません。ハラスメントの疑いがある場合は会社に対応を求めるという手段もあります。仮に、退職という選択をされても、また働きたいと思った時に職探しをすればいいのです。世の中にはいろいろな仕事、働き方があります。人生のさまざまなステージにおいて、その人のその時の状況にあわせて優先順位が変わるのは当たり前のこと。しんどい仕事から離れてちょっとひと休みしたり、短時間勤務からまた始めたり、仕事は収入源と割り切ってプライベートを充実させることもありでしょう。それこそが、一人ひとりのワークライフバランスです。
仕事探しに際しては、ぜひあなたのネットワークを活用してください。友人・知人に「娘が仕事を探している」情報を流すのです。PCの使える人を探しているとか、急に事務の人が辞めて困っているとか、ハローワークの求人検索には載らないニッチな情報が集まることでしょう。一日も早くお嬢さんの笑い声がもどることをお祈りしています。
回答者プロフィール
重原惇子
2級キャリア・コンサルティング技能士。キャリア・カウンセラー。女性、若年者を主な対象者として、現在は“若者サポートステーション”で、働きたくてもなかなか動きだせない若者たちの悩み、苦しみに向き合っています。年間のべ1000回のカウンセリングを通して感じたのは、個人の努力の限界と日本の雇用体制の矛盾。でも、まずは、目前の相談者が来た時より元気になって帰っていけるようなカウンセリングを心がける毎日です。