お助け情報

お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談74:どうして、女ばかりが負担を強いられるのでしょうか

2019.07.22 Mon

始めまして。私の疑問に思っている事を聞いてください。私は43歳の主婦です。去年からパートにでています。12年間ずっと専業主婦でした。子育て、家事をしていて何も疑問に思いませんでした。

しかし、働きにに出て同じように家事、育児をしているうちに、どうして女が家事、育児をしないといけないんだろうと思いました。母に言うと、何を言ってるの、あたり前でしょと言われました。どうしてその事に疑問を感じないのかが不思議でした。私の方がおかしいのかなと思いました。

朝、仕事に行く前に掃除、洗濯、朝ごはんの用意。夫はゆっくりと朝の支度をしています。どうして私だけがこんな負担を背負わされるのか疑問に思いました。男は何もしなくていいと誰が言ったんだろう。仕事が終わったら座る時間もなく晩ごはんの用意、洗濯物を取り込み畳む。終わったらお風呂に入り、子供達の学校からの手紙に目を通す。子供達の予定を把握して、学校の行事に参加する。なので、時々仕事を休まなくてはいけない。

どうして母親が懇談、参観と行かないといけないんだろう。父親はどうして変わってくれないんだろう。「そんな事で仕事を休めない」。子供の事なのに「そんな事」。休んでる私は「そんな事」で休んでるの?

夫には少しでも家事を手伝ってくれたら、お礼を言う。偉いと思われる。私は毎日してるのに、誰にも感謝されず、当たり前と思われている。夫のお弁当も毎日作っているけれど、ありがとうなんて言われた事がない。もう疑問だらけで、理不尽で、結婚なんてするもんじゃないと今思っています。どうして女ばかりが負担を強いられるのか。

私は勉強が出来ません。親に女は勉強ができなくていいからと言われたので、勉強しなさいと言われた事がない。勉強の大切さを教えてもらった事がないな。ものすごく後悔しています。どうしてこんな、変な世の中なんでしょう。

回答

回答74:河野貴代美さん(フェミニストカウンセラー)

あなたがそもそもこのWANにたどり着いたのは、お書きになっている疑問のせいでしょうか。たどり着いてみれば、あなたの疑問は確かなものになった?いずれにしても、はい、WANは、男女不平等をなんとか変えようとする人たちの、様々な活動で成り立っています。この相談も、フェミニストとしてあなたと同じ考えに立って、性別役割分担(こう言います)はおかしいという視点から相談にのっています。だから結論からいえば、あなたは正しい、です。

世の中のほうがヘンなのですよ。でもヘンだからこそ変えていかなければならないでしょう?WANにいる私たちは、そのような人々の集まりです。

個人的にあなたの夫婦関係をどう変えたらいいかは問われていませんが、まず、あなたは正しい、をしっかり身につけてください。いきなり怒ったりすれば、相手も怒るのでそれは止めましょうね。

その前に、例えばこのWANには様々な学習の機会があるので、仲間に出会い、パワーをもらってください。仕事、家事は大変でしょうが、家事も多少は手抜きをして、WANの活動に参加されることを望みます。一人で戦うのより、仲間を作ることがさらにあなたの大きな生きる力になるでしょうから。学んでください、決して遅くはありません。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。

タグ:くらし・生活 / 河野貴代美 / フェミニストカウンセリング

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