お助け情報

お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

法律

相談 5:慰謝料の相場は?

2011.12.18 Sun

結婚28年主人と愛人からのあからさまな不貞行為と言葉による虐待により別居に追い込まれて1年半になります。
二人を不貞行為により慰謝料請求で提訴する予定です。主人の年収は1950万、愛人は水商売経営です。
二人の関係は私が主人の父を介護中に始まり5年は続いています。
慰謝料請求の相場はありますか。
主人に1000万、愛人に500万請求したい思いです。
(広島:T、50代)

回答

相談 5:回答 小島妙子さん(弁護士)

離婚による慰謝料額は、有責性が高い場合、配偶者の受けた苦痛が激しい場合、婚姻年数が長く年齢が高い場合、未成年の子がいる場合、有責者に資力があり社会的地位が高い場合、無責者に収入がない場合などは高くなっており、財産分与による経済的充足がある場合は低くなる傾向があります。
現実には200万300万が多く、500万を超えることは少ないですが、不貞行為や暴力などの重大性を指摘して慰謝料1000万を認める裁判例もありますので、あなたを苦しめた様々な事情を詳細に主張して、納得のいく金額を目指して請求してみたらいかがでしょうか。
不貞相手に対する慰謝料の額は、双方の年齢差、関係の発生・継続についての主導性、相手の年齢、資力、不貞により別居・離婚に至ったか、相手と配偶者の関係が解消したか、配偶者自身の責任については免責しているのか、請求している配偶者が未成年者を監護しているか、請求する配偶者側に夫婦間の不和につき落ち度があったか等様々な事情が考慮されて決定されます。
現実には100万から300万が多く、離婚や別居にいたらない場合や不貞相手だけを訴えている場合では、50万円ということもあります。あなたの場合は相手の女性の職業・年収からみて、高額の慰謝料が認められる場合があると思われます。

回答者プロフィール

小島妙子

ジェンダー法学に詳しく著作も多いすぐれた理論家であると同時に、セクハラ・DV、不当解雇、離婚、財産分与等々、幅広く訴訟を扱う頼りになる実務家。事務所にはほか2名の女性弁護士がおり、女性からの相談の受付体制は万全です。

タグ:非婚・結婚・離婚 / くらし・生活 / 女性政策 / 小島妙子