2011.06.07 Tue

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チョコレートがおいしいわけ

訳者など:はんだ のどか ()

出版社:アリス館

 カカオの実から始まってチョコレートができるまでを丁寧に描いています。  こういうことって案外知らないのではないでしょうか。  そのおいしい食べ物がどのようにして作られていくかを知るだけでも、そこから世界を眺めることができます。チョコレートから世界を考えるとでもいいましょうか。  その意味でこの絵本は作者がよく取材していて、興味を引かせるに足る出来となっています。  ただ、作者のあとがきにも少しあるように、カカオ農園の厳しい現状などにアプローチした作品も欲しいです。  何故チョコレートはベルギーが有名なのか? ココアは何故オランダか? そして何故チョコレートを砂糖で甘くしたのか(かつて安い甘味料ははちみつであり、砂糖は高級品でした。そして、植民地主義がそれを大量生産させていきます)など、そこには近代ヨーロッパ資本主義による搾取の歴史や奴隷制度、薬用から嗜好品への移り変わりという文化の変化など、多くの話が隠れています。  そう、チョコレートから世界を見ることが出来るのです。  この絵本をきっかけとして、読んでいってみてください。

カテゴリー:人権 法律 政治 / くらし 衣食住 / こども 教育 / ノンフィクション 歴史 / しごと 労働 生き方 / 平和 戦争 / 環境 グローバル / ひこ・田中の、 子どもの本イチオシ

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