2011.06.17 Fri

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おばあちゃんは木になった (シリーズ・自然 いのち ひと)

訳者など:大西 暢夫 ()

出版社:ポプラ社

 ダム建設のために消えゆく村。すぐに引っ越した人もいたが、沈むまでちっとでも長く暮らしたいと、戻ってきた年寄りたち。10年間、大西のカメラがそれを記録と記憶に留めていったのが、この写真絵本。  戻ってきたジジババの暮らしが大西の写真と言葉で伝えられていく。そこに新たな言葉を加える必要があるとは思わない。  残された時間を普通に生きている彼らの姿を笑顔で眺めるだけでいい。  この作品の場合、モノクロ写真がいいのはやはりそうなのだが、カラーのもいいのが嬉しい。表紙にもなっている、はつよさんの写真を観ればそれはわかるだろう。感傷を排し、かといって記録写真のようでなく、大西の記憶に残った姿がそのまま撮されている。  「都会で生きる子どもたちに、こうした自然の中で生きる人々の姿のすばらしさを伝えたい」、なんて姿勢でこの絵本を手渡して欲しくない。

カテゴリー:くらし 衣食住 / こども 教育 / ノンフィクション 歴史 / 環境 グローバル / ひこ・田中の、 子どもの本イチオシ

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