とべ!ひこうきかぜにのって
2011.06.21 Tue
とべ!ひこうきかぜにのって
訳者など:北沢 優子 ()
出版社:アリス館
非常に丁寧に作られた絵本。 扉で、父が買ってきたグライダーを息子と二人で組み立てる様が完結に描かれます。 次の見開きでは、初めて飛ばすのでなかなか巧くいかない事。父親のアドバイスなどが、ここでも過不足なく展開されています。そして、ついに飛んだグライダー! そこからは、どこまでも飛び続けるグライダーの視点で、街が、自然が、人間の営みが活写されていきます。画面の左には、この架空の街の俯瞰図があり、グライダーがどういうコースで跳び、今どこにいるかも示されます。これはフィクションらしくない振る舞いで、批判したい人もいるでしょうが、GPSな時代にふさわしい。というより、絵本は「アート」であることにこだわるあまり、こうした明示の仕方を避けすぎてきたのではないか? ここには、ワクワクさせる「世界」の描き方があります。 現代ではその丁寧さに、重さを感じてしまう子どももいるのでしょうけれど、そこは北沢の今後の試行錯誤で、クリアされるでしょう。 オリジナル絵本はこれが最初でしょうか? であるなら、こちらも乾杯!
カテゴリー:ひこ・田中の、 子どもの本イチオシ
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