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妖怪バリャーをやっつけろ!―きりふだは、障害の社会モデル (ともに生きる力をつける絵本)

2011.07.25 Mon

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妖怪バリャーをやっつけろ!―きりふだは、障害の社会モデル (ともに生きる力をつける絵本)

訳者など:三島 亜紀子 ()

出版社:生活書院

 バリアフリー啓蒙絵本。障害者のバリヤーになるものをやっつけていきます。  絵本としての出来はそれほどいいとはいえませんが、それはそれとして、この絵本は平下の経験が背景にあります。  兄弟共、障害児で生まれ、母親は出て行ってしまうし、という大変であろう事実も含め、決して暗く描かれていません。  もちろんそれは、暗いことがなかったからではないでしょう。だからといって明るく振る舞っているわけでもないはずです。  彼らは障害者としての当事者です(よく誤解してしまいますが、親は当事者ではありません。親という当事者ではありますけれど。)。ですから、明るく生きるとか、暗く沈むとか、健常者より人の痛みがわかるとか、優しいとか、そんな幻想的な物語を語れないだけです。日常は日常です。  それでも彼らの方が生き難いとしたら、紛れもなく障害者だからで、そこを貶められることを彼らは許しませんが、持ち上げられることも困るのです。それでは、真実は何も伝わらないし、社会を変えることもできません。  論理はとてもシンプル。彼らにとって、バリヤーがあれば、それは社会がまだ、人(障害者だけではなくて)が生き易くなっていない証拠。  でも、これ言い続けてもう三〇年以上になりますが、まだまだですね。 うん、まだまだ。

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